西鉄「ザ・レール・キッチン・チクゴ」に乗ってみた! 「通勤路線の観光列車」とは?

まず「地元客」を狙う

 隣の2号車へ行くと、車内スペースの大半はオープンキッチンになっていて、大勢のスタッフが慌ただしく動いています。窯では旬のタケノコやアスパラガスをのせたピザを焼いている最中。香ばしい匂いが漂っていました。

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2号車のオープンキッチン(2019年3月12日、草町義和撮影)。

 また、窓外の景色は料理が進んでいくうちに、ビルやマンションから背の低い民家の群れ、そして田んぼへと変化していきました。ほかの多くの観光列車のように、青く広がる海、岩肌が目立つ渓谷といった「絶景」が見られるわけではありません。

 流れるように進んだランチコースを堪能し終わった14時15分ごろ、列車は終点の大牟田駅に到着。西鉄福岡駅からの所要時間は2時間半ほどでしたが、料理に夢中だったせいか、それほど時間がかかったようには感じませんでした。

 鉄道は学校や会社、観光地などへ移動するための手段ですが、近年はローカル線を中心に、列車に乗ること自体を楽しむ観光列車が増えています。その多くは、車窓に広がる景色と食事をセットで楽しめるようにしたもの。これにより外から観光客を呼び込み、利用者の増加や沿線地域の活性化を図ろうというわけです。

 しかし、西鉄の「ザ・レール・キッチン・チクゴ」は、外からの観光客ではなく、まずは沿線に住んでいる人をおもなターゲットにしているといいます。西鉄事業創造本部の藤田宏展本部長は、「地元にずっといると、(地域のおいしい食材など)地元の良さが案外見えないところがありますから。この列車に乗って、地元の良さを再発見してもらえれば」と話しました。

 また、観光・レジャー事業部の吉中美保子課長は「『地元で人気のお店です』と言われれば、その地域に住んでいない人でも行ってみたくなりますよね。まずは地元の人に愛される、楽しんでいただける列車にする。『地元で人気の列車です』と言われるようになれば、それが口コミで広がって外の人たちも呼び込めるのでは」と話し、地元の人が利用しなければ外からの観光客も呼び込めないという考えを示しました。

【写真】設備、料理、車窓…出発から到着まで

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コメント

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1件のコメント

  1. 厳しい言い方するけど、地元の人取り込みは無理がある。
    地元の人はこういったものより、謎解きゲームとコラボとかそういったものにしか興味がない。
    外国人や県外の観光客、鉄道ファンならいいかもしれないけど。