飛べなきゃ登る! パラグライダーでアルプス縦走、空の鉄人レース「Xアルプス」とは

「もう一度盛り上げるため」参戦の日本人選手は大会最年長

 一方、スカイスポーツに共通する悩みのひとつに、観客から見たときのわかりにくさがあります。高度数百m、数千mを飛行するパラグライダーは地上から見ることが難しいので、競技の経過は無線で知らされる位置情報だけになり、リアルタイムで競技を見ることができないのです。

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「Xアルプス」2019年大会より、3DCGのバーチャル映像で各選手の現在の様子をネット上でライブ配信するシステムを導入(画像:zooom.at/Red Bull Content Pool)。

 前回までの「Xアルプス」では、各選手の現在位置はGPSの情報をもとに、地図上で見ることができました。さらに今回からは、3DCGのバーチャル映像で各選手のフライトなどを表示できるシステムを整えました。いまどの選手がどこで何をしているのか、迫力あるバーチャル映像でアルプスの景色とともに楽しむことができます。

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唯一の日本人にして最年長参加者の扇澤 郁選手(画像:Red Bull X-Alps)。
2019年大会、ザルツブルグをスタート(画像:Honza Zak/Red Bull Content Pool)。
2019年大会、初日の様子(画像:Harald Tauderer/Red Bull Content Pool)。

 今回の「Xアルプス」には、日本人の扇澤 郁(おうぎさわ かおる)さんが出場します。扇澤さんは現在59歳で、全選手中最年長。2007(平成19)年に初出場して以来、4大会連続で出場していましたが、2015年と2017年は出場しておらず、6年ぶりの出場となりました。このことについて扇澤さんは次のように話しています。

「レッドブル・Xアルプスはパラグライディング界では大変人気のある大会ですが、日本人が出ていない過去2大会は、日本でそこまで盛り上がらなかったので、(私が)もう一度盛り上げたいと思って出場を決めました」
 パラグライダーは、アジア版オリンピックとも言える「アジア大会」でも2018年に初めて正式競技になり、最初の金メダルを日本チームが獲得していますが、まだ日本ではあまりよく知られていないスポーツです。「Xアルプス」での扇澤さんの活躍で、人気が高まるでしょうか。

【了】

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