「フェリー銀座」四国~九州航路どう活用 物流の「働き方改革」追い風 役割も変化
高速船よりもフェリー? 「ならでは」の強みとは
四国~九州間にはかつて、松山観光港と門司港を結ぶ「シーマックス」、伊予港と大分港を結ぶ「スピーダー」など、複数の高速船も走っていましたが、運賃がやや高かったこともあり、いずれも短命に終わっています。前述したトラックドライバーの休憩需要なども考えれば、本記事で紹介したフェリー4航路においては、高速移動はそれほど求められていないのが現状です。
2016年の熊本地震では、これらフェリーの強みが大きく発揮されました。高速道路網が寸断するなかで、フェリーは四国から九州へ作業車と人員を送り続けたのです。また、とある自動車メーカーは、愛媛県で製造された部品を航送し、大分県内で組み立てるというルートを確立させています。大分県側で人手の確保が難しくなっている事情もありますが、災害にも強く、安定した輸送が見込めるフェリーがあってこその施策といえるのではないでしょうか。
その一方、観光面においては今後の課題があります。愛媛~大分の各航路は両地域の観光に大きく貢献しているものの、たとえば愛媛県八幡浜市、大分県臼杵市には観光客があまり滞在しないというデータが出ています。港の背後にある観光地だけでなく、これら港のある街が持つ「八幡浜のちゃんぽん」や「臼杵石仏」といった素材を、どのように打ち出していくかが注目されます。
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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
宇和島運輸、九四オレンジフェリーの深夜便には着岸後の船内休憩が組込まれているので実に有り難いですね。
冬季でも夜明けと同時に下船できるサービスはドライブにも重宝ですね。
確かに大分辺りは陸路で関門経由で入ることができますが実に遠回りですからね。
また小倉松山フェリーもフェリーさんふらわあから石崎汽船が事業を引き継いだものの確かに松山方の乗り換え手段は課題と言えるでしょう
船舶も未だに関西汽船当時の船であることから新造船への切り替えか?中古船か?あるいは航路廃止なんてことも視野に入れなければならないでしょうね
本来ならフェリーさんふらわあが昔のように今治、松山に寄港してくれれば更に便利なのですがね。