「フェリー銀座」四国~九州航路どう活用 物流の「働き方改革」追い風 役割も変化
高速道路網の進展でフェリー需要が減少するなか、愛媛県と九州のあいだでは複数の旅客フェリーが運航されています。本州~九州間の観光や物流に、四国~九州航路を組み込む動きもありますが、どのように活用されているのでしょうか。
本州~九州を関門海峡経由から「四国ルート」へ切り替える動き
1980年代から2000年代にかけ本四架橋3ルート(明石海峡大橋および大鳴門橋、瀬戸大橋、しまなみ海道)が開通し、本州~四国間の交通体系はフェリー輸送から、これら連絡橋を利用した輸送へと移行しました。一方、四国~九州間は航路の数こそ減ったものの、フェリーがまだまだ「メインの輸送機関」となっており、近年さらに状況が変化しています。
2019年現在、四国~九州航路は5つあり、徳島に寄港する東京~北九州間のオーシャン東九フェリーを除き、すべて九州に近い愛媛県に発着しています。愛媛県発着の4航路は、それぞれどのような特徴があり、どう利用されているのでしょうか。
八幡浜~臼杵航路
愛媛県と九州を結ぶ航路のうち、特に存在感を増しているのが、愛媛県西部の八幡浜港と、大分県の臼杵(うすき)港、別府港を結ぶ2航路です。このうち、宇和島運輸と九四オレンジフェリーの2社が運航する八幡浜~臼杵航路は、船体こそほかの航路より小さいものの、2社合計で1日14本と本数が多いのが特徴です。ビジネスや物流、観光などに幅広く利用されていますが、近年はとりわけ物流の比重が高まっています。
八幡浜港は、愛媛県内を縦貫する松山道が2000年代に整備されたことで、県都の松山市、ひいては本州との距離がぐっと縮まりました。国の主導で物流ドライバーの働き方改革が叫ばれるなか、フェリーを利用することで法定の休息時間を確保できるため、たとえば大阪~大分間など、本州と九州を結ぶ輸送を山陽道・関門海峡経由から、この航路を組み込んだ「四国ルート」に切り替える事例が増えているのです。大阪から大分や宮崎方面などは、こちらのほうが関門海峡経由より走行距離も少なくて済みます。トラック利用の増加もあってか、宇和島運輸はこの八幡浜~臼杵航路へ2014年、2017年に相次いで新造船を投入し、利便性を向上させています。
身ひとつで大阪と九州を移動する人にとっても、八幡浜からのフェリーを裏ルート的に活用することが可能です。大阪~松山間のJR高速バス「松山エクスプレス」のうち夜行便が八幡浜港まで延長運行されており、大阪を23時ごろに出発し、フェリーに乗り換え最短で翌11時すぎに臼杵へたどり着くことができます。運賃は季節によって変動しますが、新幹線(新大阪~小倉)と特急(小倉~臼杵)の半額程度です。
宇和島運輸、九四オレンジフェリーの深夜便には着岸後の船内休憩が組込まれているので実に有り難いですね。
冬季でも夜明けと同時に下船できるサービスはドライブにも重宝ですね。
確かに大分辺りは陸路で関門経由で入ることができますが実に遠回りですからね。
また小倉松山フェリーもフェリーさんふらわあから石崎汽船が事業を引き継いだものの確かに松山方の乗り換え手段は課題と言えるでしょう
船舶も未だに関西汽船当時の船であることから新造船への切り替えか?中古船か?あるいは航路廃止なんてことも視野に入れなければならないでしょうね
本来ならフェリーさんふらわあが昔のように今治、松山に寄港してくれれば更に便利なのですがね。