田んぼのど真んなか「ラウンドアバウト」なぜ? 見通しのよい交差点を改築する利点は

見通しのよい交差点に潜む「目の錯覚」の危険

「コリジョンコース現象」について、JAF(日本自動車連盟)は次のように説明しています。

 直角に交わる見通しのよい交差点に、同じ速度で同時に接近する2台のクルマがあったとすると、相手のクルマは常に斜め45度で進み続けます。するとドライバーは、近づいてくるクルマを「止まっている」と錯覚し、注意を払わなくなり、危険を認識できなくなることがあるのです。これを「コリジョンコース現象」といい、結果としてお互いに交差点へ進入し、衝突に至ります。横から近づくクルマを、物の色や形をはっきり認識できる「中心視野」から外れた「周辺視野」でとらえやすいことから起こる、目の錯覚だそうです。

 交差点を直進したい場合も、いったん左折して環道を経由しなければならないラウンドアバウトであれば、そのような事故を防止できるというわけです。愛知県の建設課によると、ラウンドアバウト化からまもなく1年を迎える2019年5月現在で、事故は報告されていないといいます。

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焼津市が新たに藤守・下小杉地区で導入を検討しているラウンドアバウトのイメージ。下は現在の交差点(画像:焼津市)。

 静岡県焼津市にも、田園地帯の見通しがよい市道どうしの交差点をラウンドアバウト化した事例があり、同市ではさらにもう1か所、同じような環境の交差点への導入を検討しています。

 その交差点は2019年5月現在、信号で制御されていますが、周辺で国道のバイパスが整備され、交わるふたつの道路の交通量がいずれも減っているそうです。しかし、一方の道路は見通しのよい直線が続くため、スピードが高くなる傾向があり、大きな事故につながるおそれがあるとのこと。そこで、路線全体の安全性を向上させるとともに、信号による待ち時間をなくして交通の円滑化を図る目的で、交差点をラウンドアバウト化するといいます。

 前述した愛知県愛西市の交差点では、ラウンドアバウト化以前、一時停止の規制が守られずに事故につながっていたケースもあるとのこと。信号でも一時停止の規制でもなく、「必ず環道に入る」という通行方法によって、スピードの抑制効果が期待できるラウンドアバウト、ほかにも様々な活用法があるかもしれません。

【了】

【画像】ラウンドアバウトの通行方法 自転車・歩行者は?

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