ミリでコックピット再現 JAL試験導入「VR飛行機整備」体験してみた エンブラエル機用
JALがエンブラエル170型機、190型機の整備士訓練について、仮想現実(VR)を試験的に導入。市販PCで訓練可能で、コックピットはミリ単位で再現されているほか、首や手、目の動きにも追従。両機での試験導入には理由があるそうです。
エンブラエルの機種でなぜテスト?
今回、VR訓練教材がテストされているエンブラエル製の2機種は、JALグループが保有している機種のなかでは小型のもの。座席数は、エンブラエル170型機は76席、エンブラエル190型機は95席。国内線において、主要な都市と地方都市の路線や、地方都市同士の路線に就航しているといいます(運航はJ-AIR)。
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この2機種のVR訓練教材が試験導入された理由について、JALエンジニアリングの酒井敏行人財開発部長は「エンブラエルの機種が飛んでいる路線は、将来的な増便が見込まれていますが、JALの整備士およそ3000人のなかで、この機種の一等航空整備士資格を持つ人は約230人しかおらず、資格者を増やす必要があります。また、飛行機は壊れにくくなっていて、不具合に対面する機会も減っていることから、自主的なトレーニングで技量を維持していますが、座学で知識をつけても、動作を習得するのが難しいので、VRで補完して訓練しようと考えました」と話します。
また、JALのエンブラエル機の拠点空港が伊丹空港であるため、羽田、成田在籍の整備士は実機に触れる機会が非常に少ないことも、導入した理由のひとつということです。
VR訓練機材は今後、訓練のバリエーションを増やしていきたいとのこと。また、ディスプレイ表示を4Kに進化させたモデルも制作中で、早ければ8月ごろから導入できる見込みだそうです。
【了】
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