熊本県内のバス・電鉄・市電が1日無料に 新バスターミナルの商業施設開業にあわせ

九州産交グループが他事業者の運賃も負担する形で実施します。

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現在の「熊本桜町バスターミナル」仮停留所。奥のビルが建設中の「SAKURA MACHI Kumamoto」(画像:九州産交ホールディングス)。

 熊本県内でバス事業などを展開する九州産業交通ホールディングスは2019年8月20日(火)、熊本市中心部に新バスターミナル「熊本桜町バスターミナル」を併設した商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」がグランドオープンする9月14日(土)、県内の路線バスおよび熊本電鉄、熊本市電を終日無料にすると発表しました。

 無料化の対象となる路線バスは、一般路線バスのほかコミュニティバス、深夜バス、県内の都市間を結ぶ一部の高速バス(空港リムジンバスは対象外)など4099便で、熊本桜町バスターミナル発着便に限りません。九州産交グループ以外の事業者が運行するバスや電車についても、九州産交グループが運賃を補填する形で無料化するといいます。

 近年、東京の東急池上線などで沿線の活性化を目的に、電車の利用を終日無料とする試みが実施されていますが、今回のように県下全域を対象とした公共交通機関の無料化は、全国でも初めてだそうです。ただし鉄道については、JRおよび肥薩おれんじ鉄道、南阿蘇鉄道、くま川鉄道は無料化の対象外となっています。

 九州産交グループでは、「SAKURA MACHI Kumamoto」のオープン初日の来館者を約10万人と予測しており、同施設にも800台以上が収容できる立体駐車場はあるものの、中心市街地に過度な混雑を招くことによる周辺地域への影響を懸念しているといいます。そこで、九州産交グループだけでなく他の交通事業者にも「1日無料化」を提案し、今回の実施に至ったそうです。九州産業交通ホールディングスは、この取り組みを通じて「公共交通機関の利用が、慢性的な渋滞など社会問題解決の一助にもなり得るというメッセージ」を発信するとしています。

【了】

【表】熊本「公共交通1日無料」対象バス一覧

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