「昼間」の飲酒運転、夜間と件数逆転も そこから見える悪質な実態とは

飲みながら運転のケースも

――昼間のほうが悪質なケースが多いということでしょうか?

 はい。だからこそ高濃度のアルコール分が検出される割合が高いのです。たとえば、コンビニエンスストアでビールを買い、そのまま駐車場のクルマのなかで飲んだり、飲みながら運転していたケースもあります。

※ ※ ※

 なお、昼間はいわゆる飲酒検問は行わず、スピード違反などいろいろな取り締まりのなかで、酒を飲んでいないかもチェックしているそうです。福岡県警交通企画課は、「昼間は自宅やコンビニなどでの飲酒が多いので、集中的な検問より、広く網を張っているほうがよい」と話します。

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福岡県内における飲酒運転事故の昼夜間別構成率の推移(福岡県警の資料をもとに乗りものニュース編集部作成)。

 福岡県では2006(平成18)年、博多湾に架かる海の中道大橋(福岡市東区)で、飲酒運転のクルマに追突されたクルマが海に転落し、乗っていた幼児3人が死亡する事故が発生しました。これを契機に、翌年の道路交通法改正で飲酒運転の罰則が強化されたほか、県は飲酒運転の撲滅を推進する条例を独自に制定し、飲食店における来店者の飲酒運転防止対策を強化するなどしてきました。

「こうした取り組みもあり、『ビール1杯くらいならいいか』『3時間寝たからいいか』と考えるドライバーは減っていると感じます。いまの飲酒運転の状況からは、昼も夜もなく、酒をがまんできないアルコール依存のドライバーが一定数いることがうかがえます」(福岡県警交通企画課)

 県の条例では、飲酒運転の検挙者全員にアルコール依存症の健診を義務付けているほか、一般市民に対しても、飲酒運転と疑われる事例を見かけた場合に110番通報する努力義務規定を設けているとのことです。福岡県警交通企画課は、「走行中にふらついていたり、雨なのに窓を開けて運転していたりと、不自然な動きのクルマを見たらすぐに通報してほしい」と呼び掛けています。

【了】

【グラフ】飲酒運転事故が最も多い時間帯

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コメント

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1件のコメント

  1. 昔と違い「車で帰宅するので」と飲酒を断れる様になった。

    しかし未だに翌日まで酒が残る事を知っている人は少なく
    「明日仕事なので」と飲酒を断るのは難しい場合が多い。

    当初はその手の説明を飲み屋でしていたが面倒なので当日車で帰宅するように予定を組む様にしている。
    (当日ならノンアルコールOKな雰囲気なので・・・)