海自艦艇の中東派遣、根拠法の「調査研究」って何? 航空機による警戒監視も実はコレ
イラン沖ホルムズ海峡での緊張の高まりを受け、中東海域の安全確保のため、日本政府は自衛隊を独自派遣することで検討を開始しました。その根拠となるのは、自衛隊の「調査研究」といいます。なにができて、なにができないのでしょうか。
中東への自衛隊派遣検討を政府が正式発表
2019年10月18日(金)、防衛省で臨時の記者会見を行った河野防衛大臣から、中東海域の安全確保のため、日本独自で自衛隊艦艇の派遣を検討開始した旨が公表されました。正確には、中東における平和と安定および日本に関係する船舶の安全を確保するべく、日本が独自の取り組みを実施していく方針が国家安全保障会議(総理大臣を議長として日本の安全保障に関する重要事項を審議する機関)で確認され、そのために「情報収集態勢強化のための自衛隊のアセットの活用」について具体的な検討を開始する、とのことです。
これは、同年6月に発生した、日本企業が運航するタンカー「コクカカレイジャス」号への攻撃事件をはじめとする、一連のホルムズ海峡をめぐる問題に対する対応と考えられます。自衛隊が活動を行う海域については当初、「オマーン湾・アラビア海北部並びにバブ・エル・マンデブ海峡東側の公海」を中心に検討するとのことで、ホルムズ海峡やペルシャ湾が含まれていないのは、一連の事件への関与が強く疑われるイランとの関係が良好な日本政府による配慮ともとらえられていました。
ところが24日(木)夜、河野大臣が臨時会見で明らかにしたところによると、今回の自衛隊派遣について、ペルシャ湾の沿岸国であるUAE(アラブ首長国連邦)およびバーレーンとそれぞれ二国間で防衛協力に関し電話会談をしたとのことです。つまりイラン沖のホルムズ海峡も、今回の派遣の活動範囲に含まれることが示唆されたと見ることができます。
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