外航船「機関長」の仕事を聞く 船上だけでないエンジニアの職務 その魅力、なり方は?

外航船のエンジンルームを取り仕切る機関長に、その仕事について聞きました。陸(おか)の上にもエンジニアの仕事はあり、やりがいは船の内外を問わないそうです。目覚まし時計を分解していた少年は、いかにして機関長になったのでしょうか。

陸の上にもある「機関長」としてのお仕事

――現在はどんなお仕事をしているのでしょうか?

 いまは陸上勤務で、人事の仕事をしています。配乗、つまりどの船員さんにどの船に乗ってもらうか、配置を考える業務をメインに行っています。それぞれのスキルや経験値、キャリアパスを見据えるのは元より、個人的な事情も考慮して行います。たとえば、結婚式を控えている場合や、もうすぐお子さんが生まれる場合には最大限配慮しています。

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日本郵船の津田達矢機関長。2019年現在は本社にて、各船の機関長士の配置を行う配乗業務と育成業務に携わっている(2019年9月18日、乗りものニュース編集部撮影)。

――「機関長」としての技術は、現在のお仕事にあまり関係がないように見えますが……?

 私たちは船員を「海技者」と呼んでおり、海に関わる技術(海技)を海陸問わず発揮してもらう人材と考えています。そのため、海陸をまたいだ異動が行われるのですが、この「海陸異動」というのは、特殊な雇用体系ではないかと思います。

 SMS(Safety Management System、安全管理)マニュアルや本船への指示文章は、陸上勤務中の海技者が作るのですが、船の技術は日進月歩で、新しいタイプの船、主機関が開発されたり、ルール改正されたりすれば、従来のマニュアル内容は陳腐化していきます。そこで、マニュアルの改訂を行うのですが、単にルールへの対応のみに着眼するのではなく、本船上での実務への影響、利便性や作業効率などにも注意を払って行う必要があります。そのために海陸異動を行い、本船上の最新情報を熟知した上で対応できる環境を整えています。

 また昨今では、環境規制に合わせた燃料の変化から、船員に必要とされる技術や求められる資格が変わってきています。それに対応する人材育成も踏まえた配乗を考えるのが、私のいまの仕事です。

 一見、機関長の技術と関係なさそうですが、エンジニアの知識や経験がないと、どういう人にどういう研修をどういう順番で受けさせるのが効率的か、ということが見えてきません。海上では、船に乗って目前の機械をいじって、現場で自分の両手でできることが全てでした。しかし、陸上では自分の持てる知識(海技)を総動員し、私の場合、育成スキームを作り人材を育成していくことで、自分の手が直接届かない領域まで携わることができる、巨大な船の運航に関与することとは異なるスケールの大きさを感じています。このNYK(日本郵船)の海技者集団をひとつ上の段階に上げることができる、そこに関与している喜びがあります。

【写真】最大出力は軽自動車300台分! 自動車専用船の心臓部

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  1. 単位は正しくkWと書いてほしい

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