史上最速 仏駆逐艦「ル・テリブル」の俊足 旧海軍「島風」より速いギネス記録45ノット

脚の長さなどいらぬ 速力と火力こそ大事

 ル・ファンタスク級駆逐艦は基準排水量2569トン、満載排水量3400トン、全長132.4mで、旧日本海軍の「島風」が基準排水量2567トン、満載排水量3324トン、全長129.5mのため、両艦のサイズに特段大きな差はありません。

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1943年5月、地中海で行動中の「ル・テリブル」をとらえた写真(画像:アメリカ海軍)。

 ル・ファンタスク級は6隻建造されましたが、1931(昭和6)年8月から翌年1月の約半年のあいだに全艦起工され、「ル・テリブル」は5番艦ながら最も早い1933(昭和8)年11月に進水し、1935(昭和10)年4月に就役しました。

 この就役前の1月30日に行われた公試運転時に、「ル・テリブル」は最大速度45.02ノット(約83.0km/h)を記録、これが駆逐艦として史上最速と認められ、のちにギネス世界記録にも、世界一速い駆逐艦として登録されます。

 この記録達成は、日本の「島風」が1943(昭和18)年4月7日の全力公試で40.9ノットを出す8年も前のことでした。なお、公試運転時の最大速度で、ネームシップの「ル・ファンタスク」も42.72ノットを記録しています。

 ちなみにフランス海軍は1920年代以降、駆逐艦の運用に関し、水雷艇部隊を率いる旗艦的存在としても用いようと考えたため、他国における軽巡洋艦の任務までも肩代わりできるよう設計されていました。

【写真】旧海軍随一の俊足艦だった駆逐艦「島風」

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コメント

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1件のコメント

  1. 動力にはどんなテクノロジーが使われていたのでしょうね?