JAL「社員の意識」から地球に優しい会社を目指す 中心には「環境のスペシャリスト」が

「環境のスペシャリスト」が語るJALの課題 生物多様性保全のメリットは

 JAL ブランドエンゲージメント推進部の張 叶さんは、このワークショップのテーマを「地域を守りながら地域と共生していくこと」といい、JALの課題について話します。

「実はJACやJTAでは、これまでも生物多様性の保全のため、勉強会、ビーチの清掃、外来種の防除活動といった自発的な取り組みが行われてきたのですが、JALは都心拠点の企業ということもあり、そこまでには至っていませんでした。そのようなわけで、まず社内で横断的に取り組み、様々な職種から声をもらいながら、スタッフにもそのことについて考えていただき、ゆくゆくは、生物多様性保全についてお客様にもご理解いただけるようにしたいと考えています」(JAL ブランドエンゲージメント推進部 張 叶さん)

 また、これから活動を普及するにあたって、日本らしい課題もあるそうです。「日本は世界的に見てもお客様を大切にする、おもてなしの心は非常に高いのですが、大切にするあまり本当は持ち出してはいけないものに対して『NO』を言えないところがあります。ただ、これはたとえば『この害虫を駆除するためには膨大にお金がかかる』といった、なぜそれがいけないのか?という背景が浸透していないことも要因のひとつです」と、張さんは話します。

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JAL「生物多様性ワークショップ」の中心人物 ブランドエンゲージメント推進部の張 叶さん(2020年2月19日、乗りものニュース編集部撮影)。

 JALによると、生物多様性の保全に取り組むことが、地域活性のカギのひとつになると考えているそうです。インバウンド需要につながる原動力は、その地域が独特であるという地域の固有性で、その要素として必要なのが、その地域それぞれの自然や文化、社会の在り方であり、そのなかに先述の生物多様性も含まれるといいます。

 また、生物多様性を守ることは、「そこにいかなければその環境を体感できない」いう魅力となり、インバウンド需要の向上につながるとし、この取り組みは環境への配慮だけでなく、そういった地域活性のための要素としても重要であるとしています。

【了】

【写真】JTA JACからも参加の「生物多様性勉強会」

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