変わる高速バストイレ事情 「なし車」から「付き車」への動き 着替えられる広いトイレ
高速バスでは定期的にトイレ休憩を挟むこともあり、車内トイレは「あれば安心」程度のもので、なかには積極的に導入しない事業者もありました。しかし、その状況が変わってきています。着替えもできるほど広い、豪華なトイレを備える動きもあります。
高速バス、車内にトイレがあること自体を敬遠する人も
全国で高速バスを展開するウィラーが、トイレ付き車両を順次導入しています。同社はこれまで、トイレの導入に積極的ではありませんでしたが、その方針を一転させたのです。
ウィラーがトイレ導入に積極的でなかったのは、過去に「トイレ付き車両のほうが売れない」傾向があったためです。2000年代に、トイレあり、トイレなしの車両を同一グレードかつ同額で用意したところ、トイレ付きのほうが売れ残ることが多かったといいます。
長時間乗車する高速バスでは、高速道路のSAやPAで定時的にトイレ休憩を挟むので、乗客はその際に用を足せます。加えて、ウィラーのバス車内トイレについては、当時の主要な利用者層である若年層から「恥ずかしくてトイレを使えない」という声のほか、「においや音が気になる」など、トイレがあること自体を敬遠するような意見があったことから、トイレ付車両の運行をしなくなったそうです。
しかし利用者層も拡大するなかで、改めてユーザーに調査を行ったところ、全体のおよそ8割がトイレ事情に不安を覚えるという回答を得たとのこと。ウィラーはこうした声に応える形で現在、東京~広島線や東京~岡山線といった夜行の長距離路線から、車両更新のタイミングで順次トイレ付車両を導入しているそうです。
新しく導入した車両の車内トイレは、消臭効果のある壁材を使用したり、トイレ用の「擬音装置」を設置したりして、においや音の問題に対応したほか、スペースも一般的な高速バスのトイレより広めに取り、化粧鏡も設置しています。ウィラーは、「お休み前のメイク落としや、降車前に身だしなみを整えることにもトイレを活用いただいています」と話します。
「開放休憩」ではない行程途中での駐車は何と呼ぶのでしょう?
鉄道なら「運転停車」なんて言いますが、どうなんでしょうね…