変わる高速バストイレ事情 「なし車」から「付き車」への動き 着替えられる広いトイレ
豪華トイレで「差別化」 頻発運行の昼行路線でも
こうした動きは、夜行の長距離路線ばかりではありません。おもに東京と甲信越を結ぶ昼行路線や、羽田・成田空港連絡バスなどを運行する京王電鉄バスも全車トイレ付きで、そのうち、通常よりも定員が少ない36人乗りの車両は、着替えも可能な広いトイレを標準装備としているそうです。
「広めのトイレはもともと、2010(平成22)年にワンランク上のシート『Sクラス』車両に導入しました。当時は、トイレ無しの車両で安価な料金を打ち出していた高速ツアーバス(編集部注:旅行商品の形を取りつつ実質的には都市間移動サービスを提供するもの。現在は制度上、乗合バスに一本化)に苦戦しており、女性にも身近な乗りものと思ってもらえるよう、化粧直しもできるパウダールーム仕様のトイレを備え、差別化する目的がありました」(京王電鉄バス)
そこから順次、このパウダールーム仕様のトイレを拡大したほか、アルピコ交通や名鉄バスなど、共同運行する事業者にも広がっていったといいます。
ちなみに、高速バスでは乗務員交代などを目的にSAやPAなどで停車しても、乗客が外へ出られる「開放休憩」を行わない、という運行も見られます。そうする理由は、車内にトイレがあることのほか、寝ている乗客への配慮、乗り遅れや乗り間違いといった事故の防止など様々ですが、近年、要望を受けて開放休憩を行うようになった事例も増えています。
【了】
「開放休憩」ではない行程途中での駐車は何と呼ぶのでしょう?
鉄道なら「運転停車」なんて言いますが、どうなんでしょうね…