艦艇の名前長短 世界最短はアルファベット2文字の日本艦
古今東西、海上自衛隊の自衛艦を含む各国軍の艦艇は、戦車や戦闘機などと違い、大量生産された艦型であっても個々に艦名が付けられます。自然や地域名、人名など多種多様ななかで、世界最短と世界最長の艦名に注目しました。
公文書でも略式名称が使われる軍艦とは
第2次世界大戦中の艦名で、世界で最も長いといわれているのが、イタリアの軽巡洋艦「ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ」です。
カタカナ表記でも中黒(なかぐろ)を除いて24字、母国語で表すと「Luigi di Savoia Duca degli Abruzzi」と、アルファベットで29字になります。さすがにイタリア海軍も長いと判断しているようで、公式文書やWEBサイトなどでは「ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ」と、後半部分のみの表記に留めています。
「ドゥーカ(Duca)」とは、英語で「Duke」、つまり公爵を意味し、「デッリ(degli)」は英語の「of the」にあたる言葉です。よって、「ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ」で「アブルッツィ公爵」となります。
艦名の由来になったイタリアのアブルッツィ公ルイージは、登山家としても高名なイタリアの王族で、1933(昭和8)年3月18日に外遊中のソマリアで客死しました。そのことを悼み、同年12月28日に起工した新型の軽巡洋艦に名前が用いられました。
ちなみに同艦は1番艦のため、クラス名としても「ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ級軽巡洋艦」と表記されます。2番艦は「ジュゼッペ・ガリバルディ」という艦名で、1番艦と比べると半分以下の短さの名前です。
【了】
※一部修正しました(5月14日8時45分)。
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
記事間違い。アドミラル・クズネツォフが最長。本名はアドミラル・フロータ・ソヴェーツコゴ・ソユーザ・クズネツォフ、日本語では少ないですが、英語ではAdmiral flota sovetskogo soyuza kuznetsov 、空白なしでも英語で37文字、キリル文字では3文字減って(tsとyuが1文字になるため)34文字になります。第二次世界大戦、または空母以外の水上艦に限定すれば正解なのでしょうが。
ご指摘ありがとうございました。
記事を修正いたしました。
最長名称の軍艦はイタリアでしたか。
バンコクの正式名(クルンテープなんちゃら…)のようにタイあたりと思ってました。