廃線区間を経由し稚内~函館間の机上旅行 1987年のJR時刻表で 名寄本線や標津線を回る
時刻表や地図、ガイドブックなどを傍らに行程をつくり、そこから空想で「行ったつもり」になる旅を「机上旅行」といいます。国鉄が分割民営化されJRとなった1987年の北海道を舞台に、廃線区間を経由して、稚内~函館間を机上旅行します。
時刻表や地図、ガイドブックを傍らに 「行ったつもり」の机上旅行
鉄道旅行の醍醐味はさまざまですが、出かける前の「行程づくり」に夢中になる人も少なくありません。その「行程づくり」にだけ特化した楽しみ方を「机上旅行」といいます。つまり机上旅行とは、時刻表などで旅の行程を組み立て「行ったつもり」になる旅のこと。時刻表を読み物として活用している例といえるでしょう。
松本清張の有名な推理小説『点と線』では、病床の女性が時刻表をたまたま入手し、見知らぬ地名を、その字面からどんな場所であるか想像したり、現在時刻に駅を発着する列車に想いを馳せたりしています。これも机上旅行の範疇に含まれると筆者(蜂谷あす美:旅の文筆家)は思います。
机上旅行へ出かけるために、必要なのは時刻表。また、地図やガイドブックなどがあれば、「何を食べるか」「どこで観光するか」といったより具体的な旅が仕上がります。
あくまで机上の旅であるため、実現可能性を追及する必要はありません。実際の旅であれば、「ここで食事を取る」とか「休憩を挟む」「宿を予約する」それに「費用がいくらかかるか」など、事前にある程度、考えるべきことがありますが、机上の旅行者はそういった懸念事項から解放されています。体力面を無視して「朝一番に出発して、ひたすら鈍行(普通)列車で移動する」ハードな行程も、先立つものを気にせず「新幹線と特急列車のみを利用する」豪華な旅も可能です。
あ、一筆書きルールのため深名線と名寄本線はどっちか一つしか乗れないのか。痛恨だな。
羽幌線が健在ならよかったのになあ、