廃線区間を経由し稚内~函館間の机上旅行 1987年のJR時刻表で 名寄本線や標津線を回る

時刻表や地図、ガイドブックなどを傍らに行程をつくり、そこから空想で「行ったつもり」になる旅を「机上旅行」といいます。国鉄が分割民営化されJRとなった1987年の北海道を舞台に、廃線区間を経由して、稚内~函館間を机上旅行します。

現在の地図と比べると… 廃線区間は路線バスで代替可能

 あまり美しい行程とは思えず、少しだけ落ち込む思考回路も含めて、ふだんの旅とさして違いはありません。

 ここであらためて、最新の時刻表で索引地図を開いてみます。

「あれ?ずいぶんさっぱりしている……!」

 思わず声に出ました。1987(昭和62)年の時刻表を読んでいるうちに、私の脳内北海道路線図も当時のものに書き換えられていたのです。ちなみに私が古い時刻表を基にして作った行程のうち廃止区間については、路線バスで代替できます。時代を超えた旅をしたあとに、こんなふうに現代に当てはめてみるのも、おもしろさがあると気づきました。

 そして、時刻表を眺めて行程を作ってひとりで盛り上がっているうちに、結構な時間が経過していました。どんなときであっても、旅を想う心は自由であり、そして楽しさが溢れていると身をもって感じました。

【了】

【地図】1987年当時のJR北海道路線図

Writer:

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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コメント

1件のコメント

  1. あ、一筆書きルールのため深名線と名寄本線はどっちか一つしか乗れないのか。痛恨だな。

    羽幌線が健在ならよかったのになあ、