日英伊の次期戦闘機「サウジアラビア参入は遠のいた」ただ さらに進展した場合は話が変わるかも?

第6世代戦闘機開発プロジェクト「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」に、サウジアラビアが加わる可能性が低下しています。

今から中核的なパートナーになる可能性は低い?

 日英伊の3か国が共同で進めている第6世代戦闘機開発プロジェクト「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」に、サウジアラビアが加わる可能性が低下していると、ロイター通信が2025年7月16日に報じました。

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GCAPのイメージ(画像:BAEシステムズ)

 これまで、同プロジェクトにサウジアラビアが新たなパートナーとして参加するとの観測がありました。しかし、ロイターの取材に対し、BAEシステムズの将来戦闘航空システム(FCAS)部門マネージングディレクター、ハーマン・クラエセン氏は、「日本、イタリア、イギリスと同様の中核的パートナーとして今から加わるのは、私たちがすでに達成した進捗や現在の状況を考えると、非常に難しくなっています」と述べ、現時点での新規参加は困難であるとの見方を示しました。

 GCAPは、日本の航空自衛隊が運用するF-2戦闘機、およびイギリスとイタリアの空軍が運用するユーロファイターの後継機となる、次世代ステルス戦闘機を共同開発する国際プロジェクトです。構想は2022年に発表され、2025年6月には正式な合弁事業が発足しました。さらに、7月7日にはイギリス南部のレディングにGCAPの本部が設置され、3か国の主要企業による合弁会社「エッジウィング」がそれぞれ現地にオフィスを構えることも発表されています。

 アラブニュース・ジャパンも7月10日付で、GCAP関係者の話として、サウジアラビアが参加に前向きな姿勢を示しているものの、実際の参加はプロジェクトがさらに進展し、主要な懸案事項が解決された場合に限られるとの見解を報じています。

 また、サウジアラビアがGCAPに加わるための準備として、ユーロファイター・タイフーンの取得や組み立てを通じて、航空宇宙分野の専門知識を蓄積するよう非公式に奨励されているとの情報もあるようです。

 サウジのGCAP参加をめぐる議論は以前から続いており、イタリアのジョルジャ・メローニ首相は2025年1月27日、訪問先のサウジアラビアにて、「同国がGCAPへの参加を望むのであれば、イタリアとして支持する」と明言しました。一方で、日本とイギリスは、サウジアラビアがイスラム教シーア派勢力に対して軍事行動を行っていることや、配備計画・生産分担に混乱をもたらす懸念があることから、パートナー国の追加には慎重な姿勢を維持しています。

【画像】いよいよ本格始動! これが、GCAPの本部です

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