車両火災が首都高で増加中 なぜ? 通行止め長時間化 トンネル火災&多重事故も
ほとんどは「走行中に発火」のワケ
首都高で発生している車両火災のほとんどは、事故による出火ではなく、走行中にエンジン部もしくは車両下部から出火に至っているケースだそうです。このため、首都高速道路は乗車前の車両点検の徹底を呼び掛けています。
「日常的な点検、整備で車両火災が防げると考えられます。エンジンオイルや冷却水の点検および補充、(バーストの要因にもなる)タイヤの摩耗や空気圧の点検を忘れずに行ってください」(首都高速道路)
なお、車両火災の件数ベースでは乗用車と貨物車でほぼ半々ではあるものの、首都高の利用台数のうち貨物車は3割に留まることから、出火した車両の割合でいえば貨物車が多いとのことです。
国土交通省によると、2018年度には、自動車メーカーから報告のあった分だけでも車両火災が全国で1161件発生しています。件数は乗用車と貨物車でほぼ同等で、車両の総走行距離で見ると、10万km超が最も多く全体の34.3%を占めているそうです。出火箇所はエンジンが全体の15.7%で最多、次いで電気装置が13.2%となっており、走行距離が上がるにつれ、この2か所からの出火割合が増える傾向にあるといいます。
ある自動車整備工場の代表は、「過走行車(総走行距離が多いクルマ)は特にエンジン内部の傷んでいるケースがあり、オイル漏れなどにつながる可能性もあります。一方で、クルマのメンテナンスに関心がなく、車検から2年間オイル交換せず乗りっぱなし、という人も少なくありません。そういうクルマは車検の際も注意して見ますね」と話します。
このほかJAF(日本自動車連盟)は車両火災の原因について、エンジンルーム内へのウエス(雑巾)の置き忘れ、バッテリーのターミナル(端子)が緩むことで発生するショート、あるいは直射日光が当たる場所にライターなどを放置することによる発火など、複数の要因を挙げます。日ごろのメンテナンスや車両取り扱いだけでなく、車内にあるものへの注意も呼び掛けています。
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