LCC「ZIPAIR」 異例の初便「乗客ゼロ」で成田出発 コロナ禍で貨物便として物流に貢献
JALグループが新展開する中長距離LCC「ZIPAIR」の、商業運航初便が成田空港を出発しました。異例の貨物専用便としてデビューとなった同社ですが、今後はどのような方針をとるのでしょうか。
本来は5月14日に旅客便デビュー
JAL(日本航空)傘下の中長距離LCC(格安航空会社)「ジップエア(ZIPAIR Tokyo)」が2020年6月3日(水)、乗客を乗せない貨物便として商業運航を開始、その初便が成田空港を出発し、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港に向け、同日17時35分に離陸しました。
ジップエアは当初、2020年5月14日に成田~バンコク線で旅客便開設を計画していましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、同年4月にこれを見直すと発表しています。その後「いまできること」として、旅客便開設までの当面のあいだ、同社のボーイング787-8型機の貨物スペースを利用し、同路線で週4往復の貨物専用便として運航することを決定、国内航空会社のデビューとしては異例のものとなりました。
日本発初便は、機械製品や洗剤などを13t、バンコク発の初便では電化製品などを17t積む予定で、ともに容積ベースだとほぼいっぱいの状態です。
一部航空会社では、貨物スペースのみならず客室の座席などに貨物を載せる取り組みが見られるものの、ジップエアはそうしたことはしていません。同社によるとLCCでは、到着から次の便が出発するまでの時間が、JALやANA(全日空)などのフルサービスキャリアと比べて一般的に短いことから、人の手で積み込む必要がある客室搭載は時間的な理由から難しく、輸送は貨物スペースのみでの対応になるとのことです。
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