草マシマシだった2020年「総火演」 あれはなんだったの? その意味と演習本来の目的

戦車や装甲車などの車両から、文字通り草を生やした姿が印象的だった2020年の「総火演」、例年にはないそれら車両の様子に、ネット上でも大きな反響がありました。草を生やす理由と、今回そうした理由について見ていきます。

「総火演」では見納めか 2年ぶりに74式戦車も登場

 ちなみに、74式戦車と203mm自走りゅう弾砲も2年ぶりに「総火演」の舞台に立ちました。これらは「火力を見せる」目的で登場したと考えられます。というのも、全体としての弾薬使用量は、2019年が約35tで2020年は約19tと減ったものの、特科部隊(いわゆる砲兵部隊)による射撃は例年よりも多かったという関係者の声も聞こえ、戦車の射撃も例年以上に多かったと、ライブ配信を見ていた筆者(矢作真弓/武若雅哉:軍事フォトライター)は感じました。

 なお、74式戦車と203mm自走りゅう弾砲は用途廃止(退役)が近づいており、「総火演」でその姿が観られるのは今回が最後だったものと見られます。

Large 20200606 01
偽装を施し2年ぶりに「総火演」へ姿を見せた74式戦車(画像:陸上自衛隊)。

 他方、ドローンによる空撮映像も話題となりました。今回の「総火演」では、ライブ配信用のドローンと、部隊が持つドローンの両方が登場し、関係者によると、当日の現場上空には最大で10機近いドローンが飛んでいたということです。

 今年はヘリコプター部隊の参加が無かったため、ほぼ自由に会場上空を飛行できたドローンですが、来年以降、もしヘリコプター部隊などの参加があれば、ドローンがその能力を発揮する場は減ってしまうかもしれません。しかし、ネット中継を見ていた多くの視聴者から、ドローン空撮に対する好意的な意見が多く寄せられたとも聞きます。広報効果を高めるためにも、今後もドローンを使用した「総火演」の空撮は続けられると筆者は思います。

【了】

【写真】ガラリと雰囲気が変わる夜間演習と宵闇に浮かぶ富士山

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス