路線バス「独禁法の適用除外」でどうなるか? 「減便しやすくなる」が便利になるワケ

乗合バス事業を独占禁止法の適用対象外とすることが国会で可決・成立しました。バスの経営環境が厳しさを増すなか、これまでは競合する事業者どうしが協力しようにも、独禁法が壁になっていましたが、今回の法改正で何が変わるのでしょうか。

複数事業者を巻き込んだ「バスのサブスク」も可能に

 吉田准教授によると、事業者どうしで運賃を調整し、収入配分を決められるようになることで、区域を定めて複数事業者のバスを定額制で乗り放題にするといったサブスクリプションサービスも打ち出しやすくなるといいます。その先には、いわゆる「MaaS」があるとのこと。

「Mobility as a Service」の略である「MaaS」は、飛行機から電車、バス、タクシー、自転車など、あらゆるモビリティ(移動)をひとつのサービスと捉える考え方です。様々な交通や観光サービスを連携させたスマートフォンアプリなども、MaaSのひとつとされており、近年、世界的に研究や取り組みが進められています。

 これを見据え、地域においてバスだけでなく、鉄道やタクシーなども巻き込んだ価格戦略を考えるうえでも、今回の独禁法適用除外の意味は大きいと吉田准教授は話します。

 さらに5月27日(水)には、「地域公共交通活性化再生法」などの改正案も国会で可決・成立しました。これは、簡単にいうと、バス路線の再編など地域の交通計画に、まちづくりも連携させ、自治体がより強く関与することを促すものです。

 国土交通省 地域交通課の原田修吾さんによると、今回の改正では、自家用有償旅客運送(後述)や福祉輸送サービス、スクールバス、病院の送迎バスなども、公共交通を補完するものとして位置付けているといい、「輸送資源の総動員による移動手段の確保」を目的としているとのこと。

 このうち「自家用有償旅客運送」は、バスやタクシーなどが運行されていない過疎地域などにおいて、登録を受けた市町村やNPOなどが、自家用車を用いて有償で旅客を運送するというものです。従来は地域住民の移動手段を確保する目的で用いられてきましたが、今回の改正では、「観光客の足」としても認められるようになるそうです。

 オンラインフォーラムの司会を務めた名古屋大学の加藤博和教授は、「法律は『道具』。地域に必要な交通のあり方を考えるうえで、新しくなる法律をぜひ活用してほしい」と話しました。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 便利になるのは結構だし、法律を「道具」と解釈するのも勝手だけど、安全性だけはなおざりにしないで欲しいな。

    自家用車を利用した送迎なんて、ウーバーと同じで事故の時は誰が責任とるの?とか、そうした部分は良く詰めて欲しい。

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