イージス・アショア計画にストップ 本当にブースターだけが原因? 考えうる別の可能性
本当に理由はブースターだけ? 日本が直面する脅威とは
イージス・アショアは防衛施設ですから、その配備先である萩市に対しても避難指示が行われることは想像に難くありません。そうなると、ミサイルのブースターが仮に落下したとしても、人的被害が生じる可能性は極めて低いといえるでしょう。
そうだとすると、たとえ河野防衛大臣の発言内容が真実であったとしても、それだけがイージス・アショアの配備プロセスを停止する理由とは少々考えにくいと、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は思います。
現在、中国やロシアは、通常の弾道ミサイルよりも低い高度を滑空し、さらには軌道を変更することができる、いわゆる「極超音速滑空兵器」を開発、配備しています。これらの兵器に対しては従来の弾道ミサイル防衛システムでの対処は困難とされています。さらに、低高度を飛翔して目標に接近する巡航ミサイルへの対処も喫緊の課題となっています。
しかし、日本が導入するイージス・アショアは弾道ミサイルにのみ対応することとなっていたため、そのままではこうした新しい脅威へ対応することができなかったのです。
そこで、配備プロセスをいったん「停止」し、上記のような脅威に対応するために必要なアップデート、たとえば装備するレーダーやミサイル、通信システムなどを最新のものに変えることなどを検討したうえで、いかなる脅威からも日本を防衛できるようなシステムの実現を「再開」する、という筋書きになった可能性も、否定はできません。
【了】
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。
最善の策は、最初からそのようなものの配備を諦めることですが、どうしても配備したいというのなら、
1 SM-3のみならずSM-6も運用可能とする。当然VLSも増加する(64セル前後)。文字通り「まや」級陸上版とする。
2 CECシステムを付与する。
ここまでは可能。ここからは相当な覚悟が必要。
3 空自既存レーダー基地のいくつかを更新する形で配備する。2箇所ではなく3ないし5箇所ほど。
4 完成後、パトリオットと交換で空自が管理を行う(パトリオットは陸自に管理替え)
それぞれのミサイルの射程などからすればよほど無理が少ないとは思いますが。
発射までに住民は避難している、それって本当?
撃たれたこと気付いてから国内に着弾するまでわずか数分なんでしょ?しかもそのごく最初の段階でこちらも迎撃ミサイルを発射しなければいけない。
その短い時間でブースターの落下しうるすべての区域から退去? 出来るわけないじゃん。
ブースターの落下が問題になるなら、入間や習志野にナイキJなんて配備できなかったでしょうね。