元祖ANA機「安全の守り神」のヘリコプター 2日がかりの移送作戦! 中心は最高位整備士
大がかりな移設作業 中心人物の経歴もすごかった
今回の移設はANAの整備士、伊藤 剛さんを中心に実施されました。伊藤さんは1974(昭和49)年に入社以降、YS-11型機や、「ジャンボ」ことボーイング747シリーズ、ボーイング787型機など計8モデルで「一等航空整備士」の資格を持つほか、重整備を中心とする「ドック整備部門」約1000人のうち、4人だけの社内専門性認定制度の最高位である「グループマイスター」に認定され、2020年現在、若手整備士の指導にあたるなど、ANA整備士のなかでも屈指の経験を持つベテラン整備士です。
伊藤さんは入社から3年のあいだ、ヘリコプターの整備部門に在籍したこともあったとか。そのような経験から、前述した交通博物館からANAへの返還時、そして今回の移設において、作業の陣頭指揮を執っています。伊藤さんとチームを組むのは、ANAグループの若手整備士です。
2日がかりで行われた移設作業について、伊藤さんは「順調すぎてびっくりしました」といい、「整備士の基本である聞く、確認をとって、作業に移るという作業内容が、ひとつひとつ徹底されていたのが印象的です」と、若手整備士で組まれたチームを高く評価しました。
チームに加わった若手整備士のひとりも「ANAがこの機体から始まったと光栄に思いながら、初めて一緒に作業する人とも連携をとって、チームワーク良く円滑に作業できました」と話します。
ちなみに、このヘリコプターの前面に貼られた「ダヴィンチマーク」は、ANA機の尾翼のロゴマークのモデルとなったほか、2012(平成24)年3月までANAの社章にも用いられていました。また、ANA機の便名を示す「NH」も「日本ヘリコプター輸送」の略称とされています。
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