ヘリとは違う回転翼機「オートジャイロ」なぜ主流になれなかったのか?その長所と短所
飛行機は固定翼機と回転翼機に分けられ、後者はおもにヘリコプターと、「オスプレイ」のようなティルトローター機とに分けられますが、それとは別にオートジャイロというものもあります。ヘリコプターに似ていますが、別物です。
オートジャイロを考案したのは歴史に名を残す哲学者
「オートジャイロ」という乗りものがあります。人が乗る胴体の上部に大きなローター(回転翼)があり、その翼を回転させることで、揚力を得て空を飛ぶ航空機です。
「それってヘリコプターでは?」と思うかもしれませんが、ヘリコプターとオートジャイロは全くの別物。オートジャイロは、ヘリコプターが開発される50年も前、ライト兄弟が飛行機を初めて開発したのとほぼ同時期に生まれた、空を飛ぶ乗りものです。
オートジャイロが生まれたのは、ライト兄弟の初飛行から8年後の、1911(明治44)年のことでした。ただしこの時は実際に飛行したわけではなく、イギリスのマンチェスター大学で航空工学を研究していた青年によって、回転する翼の端に噴射口を取り付け、その反作用を用いて駆動を行う機構が特許を取得し、これがオートジャイロのスタートであったと考えられています。青年の名はルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、のちに『論理哲学論考』などを著し、哲学者として歴史に名を刻む人物です。
ウィトゲンシュタインが考案したものは、翼端噴流式(チップ・ジェット式)と呼ばれる駆動方式で、ヘリコプターなどで採用されている、駆動軸による回転翼の駆動方式に対して、主回転翼の反作用(トルク)が発生しないという長所がありました。すなわち、ヘリコプターは主回転翼で発生してしまうトルクをテールローターなどで打ち消さなければなりませんが、その必要がないのです。テールローターは、横風などでバランスを損なう原因にもなるため、飛行の安全化にもつながります。
とても興味深く面白い。ヘリコプターの回転翼への置き換えなど検討されたことは無かったのだろうか?
騒音について90デシベル観測例を示しているが引き合いに100デシベル(目安は鉄道架橋下)を出すのは適切ではなく90目安を表示すべき(50デシベル目安は事務所の中とされる)。