高速バス3密対策「隣は空席」いつまで? 需要回復も収益圧迫が悩み 感染予防策に新たな動き

高速バスの多くで新型コロナウイルス感染予防策として、一部座席の販売を停止し、乗客どうしの距離を確保する取り組みが行われています。しかし収益減に直結するうえ、乗客も不便に。「席を確保しつつの対策強化」が模索されています。

「全席開放」に舵 乗客が納得する対策便を選ぶ動きに

 6月まではもともと需要が小さい時期でしたが、7月中旬からは人の移動も増えています。なかには2号車、3号車と続行便を設定している路線もありますが、台数を増やしても赤字が増えるだけであれば、それにも限界があります。

 当初は手探りだった新型コロナウイルスへの対応も、医学的な理解が進んできたようです。7月12日に開催された、JCOMM(日本モビリティ・マネジメント会議)主催のオンライン・シンポジウムで、京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸さんは、「感染のリスクが大きいのは、会話の際に唾液の飛沫が相手の顔や食事に付くこと。車内の換気を行い、また全員がマスクを着用している限り、隣席に乗客が座っていても問題ない」と説明しました。「感染メカニズムを理解しリスクの大きい行動を避けるという、『頭で考えるというワクチン』で感染を防ぐことが重要」だということです。

 このような流れを受け、販売停止を取りやめ「全席開放」を行う事業者が増えています。まず、運転席を透明なシートで囲むことで乗務員への感染防止を図れることから、最前列座席の販売再開が進んでいます。

Large 20200727 01
ウィラーは4列シート車で通路側座席の販売を停止していたが、座席間の仕切りを拡大したうえで、これを取りやめる(画像:ウィラー)。

「隣は空席」についても、全国に路線網を持つウィラーが7月22日(水)から、隣席との仕切りを顔の高さまで拡大するなど対策を行ったうえで、これを終了しました。業界大手である京王バスグループ、ジェイアールバス関東、西日本ジェイアールバス、西日本鉄道やその共同運行先らも、路線ごとに順次、この対策を終了し「全席開放」に踏み切っています。

 ウィラーら新興事業者が得意とする、東京~大阪間といった大都市間の夜行路線では、多数の事業者が競合し、ウェブ上で座席タイプを比較して予約することが定着しています。4列シート車の隣席をカーテンで仕切ったO.T.B.や、隣を空席にするプランを新設した杉崎観光バスなど、各社の工夫が見られます。逆に、とくだんの対策をしていない事業者もあり、今後は、対策の内容や運賃などを比べながら、乗客自身が納得した便を選ぶ動きが定着しそうです。

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. どことは言わないけど、2席とも埋まっていた便、あったけどね^^;;

    乗る前に検温やマスク着用の確認はあったけど。。。

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開