生産終了のB747 「ジャンボ」の愛称は「象」が起源? 巨大機が残した「大きな足跡」

ボーイング747の愛称といえば「ジャンボジェット」というのはよく知られていますが、この愛称に至るまでは紆余曲折があったそうです。もともとは伝説の象の名前だったようですが、同じように747も航空業界に伝説を残していました。

当初は「スーパージェット」推しだったボーイング

 2020年7月、アメリカのボーイング社が「ジャンボジェット」の愛称を持つボーイング747シリーズの最終型式、747-8の生産終了を発表しました。また同年には、機体の経年化や新型コロナウイルスの影響などで、オーストラリアのカンタス航空やイギリスのブリティッシュエアウェイズで747型機が退役するなど、その姿は年を追うごとに少なくなりつつあります。

 ただ、この「ジャンボ」は大小様々な旅客機のモデルのなかでも、最も有名なもののひとつでしょう。

 かつてJAL(日本航空)やANA(全日空)でも「ジャンボ」は主力機として活躍しており、羽田空港、成田空港などでは「見ない日はない」といった状態でした。

Large 200728 74 01
JALのボーイング747-100型機(画像:JAL)。

 ところでこの747型機で使われている「ジャンボ」という愛称は広く知られていますが、これをそのまま和訳すると「大きい」になります。70m超の巨大な胴体を持ち、500人超を一度に運べるこのモデルにはピッタリな愛称ともいえますが、実は「ジャンボ」の由来は当初からというわけではないようです。

 ボーイング社は当初、「ジャンボ」を愛称として認めませんでした。また747型機は1970(昭和45)年のデビュー当時、製造国であるアメリカを中心に「スーパージェット」と呼ばれるのが一般的だったとされています。

「ジャンボ」の語源は、19世紀に実際にいたアフリカ象の名前といわれています。諸説あるものの、スワヒリ語で「こんにちは」の意味を持つ象の名前が愛称になった、というのが最有力です。象のジャンボはその後1882(明治15)年、「世界最大の象」との触れ込みでアメリカのサーカスに輸入されました。この象から「ジャンボ」という言葉が生まれたというのが定説です。

「ジャンボ」の輪切り

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 今は「777-9」でも同じかそれ以上の人数を運べますし
    エンジン数が2倍の分、メンテナンスも故障遭遇確率も2倍ですからね
    整備士の負担を考えれば、やっと終わったと安堵しているでしょう

  2. 羽田成田どころか伊丹福岡千歳はもちろん、今やB737天国の亜幹線空港でも見れましたからね。SRや400Dという「(日本)国内線特化型」B747すら登場してた状況……。
    貨物機としてはしばらく残るので成田や関空、中部、そして小松など一部ではまだ見れそうですね。代替機は出るのでしょうかね。