生産終了のB747 「ジャンボ」の愛称は「象」が起源? 巨大機が残した「大きな足跡」

「ジャンボ」の愛称が浸透した経緯 そして伝説とは

 これを当時、旅客機としては異例の大きさであるボーイング747型機に当てはめたのが当時のメディアです。一説では言い出したのは日本の記者とも。「ジャンボ」は「バカでかい」というマイナスイメージを伴っていたことから、ボーイングは当初この愛称を使いたがらなかったそうですが、世間に浸透した影響を踏まえ、現在では同社もこの呼称を認めています。

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航空科学博物館に展示されているボーイング747の機首部分(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 このような経緯をたどった747型機「ジャンボ」は、象のジャンボと同様、その巨大さゆえ航空業界に伝説をいくつも残しています。代表的なのが飛行機を使った海外旅行が、いわゆる「大金持ち」でなくともできるようになったきっかけを作ったことでしょう。

 たとえば日本では「ジャンボ」が航空会社に導入されたことに伴い、旅行代理店向けの「団体運賃」が設定されします。ある程度の人数を集めたパッケージツアーであれば、航空運賃を正規より大幅に割り引くというものです。これにより所定運賃の7割近い値引きも発生しました。

 JALで「ジャンボ」がデビューしたのは1970(昭和45)年。この年の海外旅行者数は約66万人でした。ところが3年後の1973(昭和48)年にはその約3倍弱の230万人にまで人数が跳ね上がっています。

【了】

※一部修正しました(7月31日9時52分)。

「ジャンボ」の輪切り

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コメント

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2件のコメント

  1. 今は「777-9」でも同じかそれ以上の人数を運べますし
    エンジン数が2倍の分、メンテナンスも故障遭遇確率も2倍ですからね
    整備士の負担を考えれば、やっと終わったと安堵しているでしょう

  2. 羽田成田どころか伊丹福岡千歳はもちろん、今やB737天国の亜幹線空港でも見れましたからね。SRや400Dという「(日本)国内線特化型」B747すら登場してた状況……。
    貨物機としてはしばらく残るので成田や関空、中部、そして小松など一部ではまだ見れそうですね。代替機は出るのでしょうかね。