「プロの凄技」が見られる空港は? 奥深き「タキシング」の世界 ANAパイロットに聞く

転回も勾配路の進行もパイロットの技術が詰まっていた!

 国内空港の場合、稚内、庄内、鳥取、佐賀などは滑走路両端部分につながる「取付誘導路」がありません。そのため離陸前や着陸後に、滑走路端の幅60mから80mとやや広くなったエリア「ターニングパッド」で180度旋回をして向きを変え、来た道を戻るように駐機場に向かいます。

 ANAのパイロットによると、このとき滑走路幅の中で安全にしっかり旋回しつつ、かつ、滑走路の水はけを良くするための溝「グルービング」を傷付けないように角度に注意しながら操作する必要性があるそうで、こういったところも「プロの技のひとつ」だそうです。

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佐賀空港(2019年、乗りものニュース編集部撮影)。

 ところが地方空港にはターニングパッドがない空港も。こういった空港では、たとえば滑走路の幅45mでの旋回対応が求められます。コックピットから前脚や主脚の位置を直接目視することはできないなか、全長30mを超えるエアバスA320型機やボーイング737型機などでこれらの空港を発着するときは特に、前脚の位置を想定し、滑走路から外れない範囲ギリギリまで引き付けて旋回する必要があるそう。その感覚は訓練で身につけるそうです。

 また誘導路や滑走路には勾配が付いていることもあり、これも注意すべきポイントとのこと。

「上り勾配は経験や感覚に基づいて、エンジンパワーの調整に一層気を払わなければいけません。下り勾配ではブレーキを踏む必要がありますが、その時タイヤやブレーキの温度上昇にも細心の注意を払います。ブレーキの温度が高くなってしまうと、ブレーキ性能の低下につながるので、万一の緊急停止の事を考えて、その温度が適正値に下がるまで離陸を見合わせる事になります」(ANAのパイロット)。

 なお、勾配が比較的大きく、取付誘導路もターニングパッドもない空港の代表例としては、八丈島空港(東京都八丈町)が挙がります。

空から見たひとめで見る国内のユニーク「誘導路」たち

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