モーリシャスでの商船の原油流出に出動 海保「機動防除隊」 海洋汚染対策のプロ集団とは?

海上保安庁の任務は領海警備や人命救助だけではありません。海洋汚染対策もそのひとつです。しかし海を汚す危険物質は多岐にわたり、なおかつ専門知識も必要なため、海上保安庁には専門部隊が作られました。

体力よりも知力や調整能力が要求されるプロ集団

 機動防除隊の規模は20名弱と決して大きくありませんが、彼らに求められているのは、防除資機材を操るだけでなく、専門家集団として関係各所にアドバイスすることです。その役割は海上保安庁内にとどまらず他省庁や地方自治体、民間会社などにもおよぶため、相手の要望を聞きだすコミュニケーション能力や、複数の相手とやりとりする調整折衝能力が重要になるといいます。

 体力以上に知力や人生経験がモノをいうことから、10年以上の経験を持つ海上保安官が配属されているそうで、なかには特殊救難隊OBや潜水士経験者も在籍しているそうです。また、海洋汚染に関する知識も表面的なものでは折衝相手を説得できないため、なかには国立大学の理工学部で学ぶ隊員もいるとか。

Large 20200814 01
油回収作業で指導助言を行う機動防除隊員(画像:海上保安庁)。

 海上保安庁というと、領海警備や水難救助などに注目が集まりがちです。実際、尖閣諸島周辺の領海警備や排他的経済水域の見回り、自然災害時の被災者救出などにスポットが当たることが多いですが、海上保安庁の任務には海上環境対策や災害対策なども含まれています。

 そのためのスペシャリストチームといえるのが機動防除隊であり、その規模は決して大きくないものの、担う役割は大きいものといえるでしょう。

 なお、商船三井によると8月12日(水)までに、「WAKASHIO」の船上に本船上に残っていた油はほぼ全量を回収できたと見られるそうです。今後は船外に流出した油の回収に努めるとしています。

【了】

【写真】赤い作業服はエリートの証「機動防除隊員」

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由