大変身の元東急電車 座席は元西武特急 平面顔には運転で工夫

伊豆急線には、元東急の8000系電車が走っていますが、座席は元西武「ニューレッドアロー」のものであるなど、東急時代からいろいろ変わりました。渋谷や横浜を走っていた元通勤電車で、海を眺めながら駅弁です。

東急時代は考えられなかっただろう座席

 静岡県の伊豆半島東岸を行く伊豆急線には、元東急電鉄の8000系電車が走っています。1969(昭和44)年に東急電鉄を走りはじめた車両で、そこでの役目を終えたのち、2004(平成16)年に伊豆急へやって来ました(8000系は東急から2008年に全車引退)。

 伊豆急にやってきた8000系電車の車内は、東急時代には考えられなかった構造になっています。片側が窓と並行のロングシートなのは変わらずですが、もう片側(海側)が向かい合わせのボックスシートになっています。

 伊豆急線は、東急線のように混雑するわけではなく、観光地である伊豆で、その海岸線を眺めながら走る路線環境。グループ旅行ではボックスシートの要望も多いことから、この形になったそうです。

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東急から伊豆急にやって来た8000系電車(2020年7月、恵 知仁撮影)。

 ちなみに、ロングシートの座席は元から同じですが、ボックスシートの座席は、西武鉄道の特急車両10000系電車「ニューレッドアロー」で使われていたものを、伊豆急での使用にあたり、移植したものだったりします。

 そのため元々、この座席はリクライニングできましたが、構造強化を目的に背面にパイプを設けたことなどから、それができなくなりました。

 座席の移植はそれを付けるだけ、かんたんにできそうにも思いますが、座席の下にある暖房機器や床下機器の変更なども行う必要があり、結構、大掛かりな改造になったそうです。ちなみに伊豆急にやってきて、トイレも新たに設置されています。

【写真】東急時代はありえなかった車内!?

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コメント

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2件のコメント

  1. 伊豆急行ですら遅延を気にするぐらいだから、リゾート21もさほど遠くない将来に無くなるのかもしれない。

  2. 関西だと「東急の車両」+「京阪の座席(クロスシート部)」+「近鉄(の祖先)が作った線路で主要株主」てのがありますね。伊賀鉄道200系ですけど。