答えは「天ぷら油+ミドリムシ」? 陸海空OKの新バイオ燃料 CO2削減の打開策になるか

陸・海・空すべての移動体に! 課題は供給量

 ユーグレナバイオディーゼル燃料は、これまで川崎鶴見臨港バスやジェイアールバス関東が導入していますが、東京都および埼玉県を走るバスでは西武バスが初めてです。そして9月からは、ミドリムシの生産地である石垣島に拠点を置く八重山観光フェリーにおいても、フェリーの燃料として使用が始まりました。

 同燃料の開発には、いすゞ自動車やANAも関わっており、飛行機を含めた陸・海・空すべての移動体への使用が想定されています。これを使いたいという事業者からの要請も多いものの、いまは横浜市のプラントで年100tという供給量。「全然足りていない」(ユーグレナ 出雲社長)といいます。また、価格は1リットルあたり約1万円ということです。

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ユーグレナバイオディーゼル燃料を採用した八重山観光フェリー(画像:ユーグレナ)。

 ユーグレナは、この供給量を2025年までに2000倍の年20万tまで増やし、本格的な商用ベースに移行したい構え。価格も5年のあいだに常識的な水準まで安くしたいといいます。

「日本は2030年までに排出CO2を(2013年比で)26%削減するという目標を掲げており、事業者にはプレッシャーがかかっています。一方でEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)といった新エネルギー車への全面的な置き換えは難しく、既存の燃料のクルマも必要です。バイオディーゼル10%の燃料を普及させ、『こうすれば目標をクリアできる』と示していきます」(ユーグレナ 出雲社長)

 ちなみに、ミドリムシの活用によって従来のバイオディーゼル燃料よりも品質を向上させ、配合量も増やすことができるのは、良質なオイルを生成するというミドリムシの特徴、そしてプラントでの精製過程に秘密があるそうです。

【了】

★★【写真】ちょっと色つきの油? 透明瓶に入ったユーグレナ入り燃料★★

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コメント

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1件のコメント

  1. EVやHVに固執する必要はない。こういう方法があるんだから自動車メーカーや政府はこういうのを推し進めろ。EVに至ってはそれ自体はCO2を出さないが、EVを動かすための電気を作るのに大元が大量のCO2を排出している。まったくエコじゃない。HVにしても駆動用バッテリーの劣化が懸念材料だし、HVなら乗り換えが大前提になる。それによって廃車が増えそれこそCO2が排出され本末転倒ではないか。皆、騙されすぎだ。
    私は温暖化否定論者だが、温暖化と叫ぶ奴は目先だけを考える偽善者にならないでこういう根っこの部分の解決を考えろ。