細かっ! 5cmきざみの車幅制限なぜ 実は明快な基準 でも実際はもう少し広いような…?
赤色の縁取りの中に青色で数字が書かれた、通行可能な車両の最大幅を示す道路標識。よく見かけるのは「1.7m」や「2.0m」など10cmきざみの表示ですが、中には「1.75m」など5cmきざみのものも。なぜ細かく表示するのでしょうか。
車両制限令により数値を算出
街なかの狭い道路の入口では、赤色の縁取りの中に青色で数字が書かれた、通行できる車両の最大幅を示す道路標識をよく見かけます。数値は「1.7m」や「2.0m」など小数点以下第1位まで、つまり10cmきざみの表示が一般的です。
しかし中には「1.75m」と5cmきざみのものもあります。細かく表示するには理由があるのでしょうか。
たとえば「1.75m」幅の標識は川崎市高津区の住宅街で見られます。道路を管理する高津区役所道路公園センターに聞いたところ、最大幅は政令(車両制限令)に基づき定められた数値であり、意図的に細かく表示しているわけではないとのことでした。
「当該道路は市街地区域にあり、路面の幅が5mあります。しかし歩道などがありません。そのため規制にあたり、左右の路肩に相当する0.5mずつを路面の幅から減じます。また一方通行でもないため、クルマが行き違う中央部分の間隔0.5mをさらに減じ、算出された数値の2分の1を最大幅と定めています」(高津区役所道路公園センター)
これを実際の数値に当てはめると、道路幅5mから左右の路肩0.5m×2を引き(4m)、さらに中央部分の間隔0.5mを引き(3.5m)、それ2で割り、1.75mとなります。つまり路肩の有無など、道路の状況から車道の幅を定義したうえで、車両制限令により幅制限を設けているわけです。
この標識がある道路は、制限されているほど狭くは見えませんが、ここは一方通行ではありません。対向車があることを考えれば、1.75mを超える幅のクルマでは行き違いが難しい場合もあるでしょう。
なお、場所によっては最大幅の道路標識ではなく、「車両通行止め」といった標識で通行を禁止もしくは制限している例もあります。
【了】
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