わずか0.3kmの至近駅 山手線を越える高架 東急池上線 大崎広小路~五反田間の謎

五反田駅からたった300mの場所になぜ駅があるのか

 都内で駅間距離が短い例では、0.5kmの区間として、山手線の日暮里~西日暮里間、京王井の頭線の渋谷~神泉間、西武新宿線の都立家政~鷺ノ宮間、京急本線の青物横丁~鮫洲間、東急大井町線の荏原町~旗の台間、大岡山~緑が丘間、尾山台~等々力間が存在しますが、やはり五反田~大崎広小路間が断トツの短さです。

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大崎広小路駅(写真右)を出て五反田駅へ向かう池上線の電車(2020年9月、内田宗治撮影)。

 ほかにも、JR新宿駅の5・6番線ホーム(特急「成田エクスプレス」などが発着)の南端と山手線の代々木駅の北端とは目と鼻の先、120mくらいしか離れていないのが気になります。こちらが最短駅間だと感じる方もいるでしょう。ですがこれは新宿駅5・6番線ホームが同駅山手線ホームより代々木寄りにずれているためで、山手線ホームどうしでは、400mくらい離れています。営業キロでは代々木~新宿間は0.7kmです。

 大崎広小路駅が五反田駅から至近に位置するのは、かつて五反田~大崎広小路間が未開通で、大崎広小路駅が池上線の始終点だったことに関連します。当時、山手線から池上線に乗り換えるには五反田駅から大崎広小路駅まで歩かなければならかったわけで、大崎広小路駅は電車が発着するごとに、それなりににぎわったことでしょう。

 池上線は池上電気鉄道という会社により開業しました。現在の東急目黒線などを開業させた目黒蒲田電鉄とはライバル関係の会社でした。

 目黒蒲田電鉄は、東急グループの創始者となる五島慶太による経営で、沿線の不動産開発も計算して都心に近い山手線の目黒駅から郊外へと、順調に路線を開業させていきました。

【地図】かつて池上線はどこを目指した? いま無き始終点駅も

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