スマートICなぜ「いったん停止」なのか 入場待ちで渋滞も 解消されずに増えるワケ
「いったん停止」じゃないと、どうしてもお高く…
なぜスマートICは一時停止が必要なのでしょうか。逆にいうと、それこそがスマートICの特徴といえる点です。
非ETC車にも対応する有人料金所を基本としていた従来のICに対し、スマートICは約3分の1の用地で設置可能。通常のETCゲートは4台の車両検知器で車両の位置を管理しながらノンストップで通過させるところ、検知器を1台にし、車両停止後に道路側の設備と車載器の通信を行う仕様です。
さらに、スマートICはNEXCOではなく地元が整備主体です。地元で協議会を立ち上げたうえで、整備の必要性を国に訴え、認可を受ける仕組みです。これにより、欧米諸国と比べて平均で倍近い距離があったICの設置間隔を縮める狙いがありました。
国土交通省高速道路課は、スマートICは低コストで利便性を高められる点が特徴だといい、「機器のレベルを上げると、どうしても高くなる」と話します。現在のところ、スマートICをノンストップ型に格上げしてほしいといったような声は届いていないものの、もしあれば、検討する必要はあるだろうと話します。
ちなみに、今後は「ネットワーク型ETC」と呼ばれる仕組みを活用し、これまで費用面からETCの導入ができなかった地方の有料道路にも、ETCレーンが整備されていく可能性があります。これは、NEXCOなどがセキュリティ面の運用を遠隔で行うことで、事業者の負担を軽減するものですが、こちらも一時停止が必要なものです。
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関門トンネルがETCを採用しにくいのはゲートの先が細い対面通行のトンネルが理由なのだが一旦停止ならよいかも?