「日本最北の離島」救うドクターヘリ どこも運航できない場合は? 新型コロナは別対応

日本最北の離島「礼文島」。重篤な病気や怪我をしてしまった場合、海は患者の搬送を阻みます。そのような環境において患者の命を繋ぐためのリレーが行われています。

日没との戦い、過酷な自然環境

 前述のように礼文島や利尻島には総合病院がないため、最寄りの高度治療を行える病院となると約150km離れた名寄市の病院になります。そのためドクターヘリを使わない場合、カーフェリーと救急車を乗り継ぐと、待ち時間なしでも約4時間かかります。しかしカーフェリーは、夏は1日4便、冬は1日2便で、待ち時間や厳冬期の道路状況などを考えると、実際には6時間から8時間を要するでしょう。

一方、旭川赤十字病院にドクターヘリを要請すると、約1時間30分で到着、患者を引き継ぎ1時間かけて旭川に戻ります。往復約2時間半から3時間かかるものの、ドクターヘリには医師と看護師が同乗し、医療機器も装備されているので旭川に向かう機内で応急処置も可能です。

この差は非常に大きく、まさにドクターヘリが島民の命綱になっているといえるでしょう。

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旭川赤十字病院の屋上ヘリポートに着陸するMD902小型ヘリコプター(画像:日本赤十字社旭川赤十字病院)。

 とはいえ、ドクターヘリを運航するためには1500mの以上の視界が必要です。この条件があるため日没後には飛行できません。

 旭川の日没は冬季で最短15時56分、夏季で最長19時18分であり、冬季に礼文島で要請を行えるタイムリミットは14時頃になります。そのため診療所の医師には、迅速な要請判断が求められるのです。ドクターヘリが空振りに終わるかもという迷いは禁物といいます。また北海道の冬季にある猛吹雪や暴風など過酷な自然環境も、ドクターヘリの運航を阻みます。

 なお利尻島の場合は、定期便が発着する利尻空港があるため、患者搬送用の飛行機「メディカルウイング」の運航が可能です。これは2017年から運行を開始した日本初の患者搬送専用の固定翼機で、セスナ560とキングエア200を使い札幌市にある丘珠空港を拠点に患者搬送を行っています。

メディカルウイングならば、航続距離もスピードもドクターヘリより優れているため、出動から50分ほどで利尻空港に到着、復路も約50分で札幌へ向かうことができます。

【写真】北海道はでっかいどー 旭川と礼文島の位置関係がわかる地図

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