日本唯一のヘリコプター定期航路 わずか9席の島々を結ぶ生活路線、その利用実態とは

伊豆諸島には日本で唯一、ヘリコプターによる定期航路が存在します。座席数はわずか9席、島々の交通手段として欠かせないというヘリによる生活路線は、どのように利用されているのでしょうか。

離島どうしをヘリで結ぶ

 東京都の離島である伊豆諸島は、様々な交通機関で本土や島どうしが結ばれています。空路はANAが羽田と八丈島を、新中央航空が調布飛行場と大島、三宅島、新島、神津島を結ぶほか、海路は東海汽船がフェリーの東京~大島~利島~新島~式根島~神津島航路や、東京~三宅島~御蔵島~八丈島航路などを運航。さらに伊豆と島々を結ぶ航路や、八丈島~青ヶ島航路など諸島内の航路も存在します。

Large 181003 heli 01

拡大画像

アメリカのシコルスキー社製ヘリ2機で運航される「東京愛らんどシャトル」(画像:東邦航空)。 

 こうしたなか、諸島内だけを結ぶ珍しい交通機関もあります。「東京愛らんどシャトル」と呼ばれる日本唯一のヘリコプター定期航路です。朝9時20分に八丈島を出発し、青ヶ島、八丈島、御蔵島、三宅島、大島、利島と飛び、さらに大島、三宅島、御蔵島を経由して16時に八丈島へ戻るという運航。それぞれの島を10~30分で毎日結んでいます。

 たとえば八丈島~青ヶ島間のフェリー運賃は大人片道2730円(2等のみ)ですが、ヘリの場合は1万1530円と割高。しかも座席数はたった9席です。なぜヘリなのか、運航する東邦航空(江東区)に話を聞きました。

――どのような経緯で運航が始まったのでしょうか?

 島どうしの交通を確保する目的で、「大離島」と呼ばれる大島、三宅島、八丈島と、それらに隣接した「小離島」と呼ばれる利島、御蔵島、青ヶ島を結ぶ生活路線として設定されています。1993(平成5)年に週6日の運航を開始し、島民の皆様に定着するにつれ1996(平成8)年から毎日運航となり、さらに2年後には郵便物輸送も担うようになりました。

 小離島では、港の整備も厳しい状況にあり、台風シーズンや、西風の強い冬場においては、船便の就航率が50%以下になることもあります。また、たとえば三宅島と大島のあいだは、既存の交通体系ではいったん東京に出なければならないなど、島と島の移動も不便です。このため、小離島では船便が4~5日間も欠航となり、島外との連絡はもとより、生活物資の運搬にも支障をきたすこともありました。こうした状況を打開し小離島の生活基盤を強化すべく、東京都がヘリコプターによる航路を打ち出し、その事業主体として当社が選ばれ、現在に至っています。

――なぜヘリなのでしょうか?

 利島、御蔵島、青ヶ島では、山がちな地理条件から飛行場を造ることができないため、限られた場所で離着陸できるヘリコプターが有利なのです。運航開始前には4年間にわたり試験運航が行われ、船便の就航率が落ち込む冬場においても就航率が高いことが確認されたうえで事業が開始されました。

この記事の画像をもっと見る(2枚)

画像ギャラリー

  • Thumbnail 181003 heli 02
  • Thumbnail 181003 heli 01

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. カワサキヘリコプタシステムの神戸~コウノトリ但馬空港~湯村温泉線もヘリ好きにはロマンがあるなあ。
    一部(特に北海道民)のイメージは「逆噴射」だが・・・これにこりずにぜひまた。利便性や採算ガン無視の趣味だとわかってはいるけれど。