福井の「やけに速い路面電車」 駅を高速で通過 現地でわかった停まらない理由とは
路面電車といえど最高速度70km/hを発揮
福井鉄道ならびにえちぜん鉄道の超低床電車が走るのは、田原町駅(福井市)と鷲塚針原駅(福井市)のあいだです。途中に5駅(このほかに臨時駅ひとつ)ありますが、鷲塚針原駅のひとつ手前にある中角駅は、超低床電車、いわゆる路面電車が停まらず高速で通過してしまいます 。
中角駅は九頭竜川の堤防至近にあるため、堤防と同じ高さの盛り土の上に作られています。田原町~鷲塚針原駅間のほとんどの駅は2016(平成28)年3月の相互乗り入れに合わせて低床ホームが設置されたものの、当駅だけはそのような工事がされなかったため、超低床電車が停車してもホームとの間の段差が大きすぎて乗降が難しいことから、通過の措置が取られているようです。
そのため、えちぜん鉄道の普通電車は停車するのに、福井鉄道に乗り入れる路面電車は通過するという不思議な運行パターンができたそう。なお路面電車といえど、福井鉄道が所有するF1000形(愛称:FUKURAM)やえちぜん鉄道所有のL形(愛称:Ki-bo)は最高速度約70km/hまで出すことが可能なため、普通電車のダイヤに影響を与えることなく相互乗り入れできます。
ちなみに隣の鷲塚針原駅には、相互乗り入れに合わせて折り返し専用線ならびに専用の低床ホームが新たに造られています。そこではえちぜん鉄道が所有する普通電車と、福井鉄道所有の超低床車の並びも見ることができます。
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Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
これ(揺れました?)を路面電車と呼ぶなら宮島線は?
中角駅はどうして超低床電車が停車できる低床ホームが造られなかったのですか?