コロナ禍でどう? 自治体「新幹線通勤補助」の今 都度利用も補助 新幹線ない町も
移住者を呼び込もうと、都心部までの新幹線通勤費を補助する地方自治体が複数存在します。コロナ禍でテレワークが進み、郊外への移住も注目されるなか、この制度は強みになっているのでしょうか。
補助額も様々 月最大1万円から5万円まで
新型コロナでテレワークが一気に普及した2020年現在、都心部から地方への移住を検討する人も増えているようです。そうしたなか、新幹線を使った遠距離通勤に補助金を出す自治体が存在し、その数はここ数年で増えてきました。
ひとつのきっかけとして、2016年の税制改正が挙げられます。このとき、通勤費が非課税となる限度額が月10万円から15万円に引き上げられ、おおむね200km程度までの新幹線通勤がしやすくなりました。実際、今回取材した関東近郊で新幹線通勤の補助制度を設けている自治体も、多くが2016年か、それ以降に開始しています。
その補助額や期間、また条件も自治体により様々です。たとえば、東京駅から約80kmに位置する栃木県小山市は2017年から、新卒者と40歳以下の転入者を対象に補助制度を開始。1か月1万円を限度として、最大3年間、東京方面への通勤を補助しています。
一方、東京駅から約200kmに位置する新潟県湯沢町は2016年に制度を開始し、補助限度額は最大5万円、期間は最大10年間です。湯沢町企画政策課は、「ほかの自治体よりも補助が手厚い」と胸を張ります。
また、埼玉県北部に位置する美里町のように、町内に新幹線が通っていなくても、新幹線の通勤費補助制度を設けている自治体もあります。この町の新幹線の最寄りは隣の本庄市にある本庄早稲田駅ですが、町内を通るJR八高線が発着する、群馬県の高崎駅から新幹線を利用しても対象だそう。補助限度額は月2万円まで、期間は最大3年間で、町内に家を買う(新築または中古)ことが条件になっています。これは、補助期間終了後の転出への対策だそうです。
では、これら制度はどれくらいの人に利用されているのでしょうか。
実費精算化ならまだしも、通勤手当を無くした会社もありますよね。新幹線の特急券分は自腹、というのも聞いたことがあります。居住地により採用可否を決める企業もあるとの都市伝説も流布されていますが、入社後引っ越すことはできますね…