Wi-Fiコンセント付き「昼寝特急」に乗ってみた JR西日本は何を狙う?

昼寝ができる寝台列車は需要があるのでしょうか。それに近い列車が新たに登場。JR西日本「ウエストエクスプレス銀河」山陽コースです。実際に乗ったところ、至高の休日。なぜJR西日本は、そうした列車を走らせるのでしょうか。

電車のなかで旅をしながらゴロゴロする休日

 多くが姿を消した寝台列車。背景のひとつとして、昼間、寝台車の使い道がなく、非効率というものもありました。「昼も昼寝用に走らせたら?」という意見も見られましたが、需要やコストを考えると、難しいところです(夜行寝台の朝以降を座席として使う「ヒルネ」という制度もありましたが)。

 そんな旅が2020年12月12日(土)、ひとつの形で楽しめるようになります。寝台車のような設備を持ちながらお手頃価格で乗れるJR西日本の特急「WEST EXPRESS 銀河(ウエストエクスプレスぎんが)」が、山陽コース(大阪~下関)で日中運行を開始するのです。

 ひとあし早く、12月5日(土)に行われた報道向け試乗会に参加したのですが、これは需要あるかもしれません。

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大阪駅で発車を待つ下関行き「ウエストエクスプレス銀河」(2020年12月5日、恵 知仁撮影)。

 土曜日の朝、大阪駅7時19分発の下関行きに乗車しさっそく、かつてのB寝台車のような2段ベッド構造の「クシェット」で、靴を脱いでゴロゴロ。Wi-Fiも、コンセントもあり、窓の外には色づいた六甲山に須磨の浦、明石海峡大橋と景色が移りゆきます。

 広島駅到着は15時49分、終点の下関駅まで乗り通すと到着は19時45分、途中の土山駅(兵庫県播磨町)では時間調整で50分停車するといったこの列車ですが、クシェットへ横になって、あせらない、いそがない、ゆったり、のんびり。

 車内では、本を読んでも、それこそホントに昼寝してもいいですね。「何か特別なことをしている休日」と「何もしない休日」が、絶妙にバランスしているといいますか。車内では朝食のパン、昼食の駅弁の用意、沿線の特産品販売も行われ、フリースペースなどへ散策もできます。

 2020年9月から山陰コース(京都・大阪~出雲市)で、まず夜行列車として運行を開始したこの「銀河」。のんびり、鉄道の移動そのものを楽しんでいただければと、JR西日本の担当者は話します。これから運行が始まる昼行の山陽コースは、現時点で8倍の予約倍率だそうです。

 なお「銀河」には、グリーン車、普通車それぞれの個室や座席、フリースペースも用意。B寝台車のようなクシェットは、普通車指定席(ノビノビ座席)扱いで寝台料金不要です。いわゆる豪華寝台列車とは異なる、一般的な特急列車の価格帯になっています(1泊2日の宿泊付きコースで2万円台から)。

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1件のコメント

  1. 寝台とか夜行とか言うと「採算が取れない」という勢力がシュバってくるけど、これで不採算だというならJR西日本は何をもって収益を上げているのだろうか。