消えゆく「朝礼台みたいなホーム」 北海道では大量廃止へ 国鉄時代の「仮乗降場」

北海道のJRの駅には、ホームの長さが1両分ほどしかなく、待合室などもない簡素な駅が多くあります。2021年春のダイヤ改正で多くが廃止されてしまいますが、なぜこのような駅が生まれたのでしょうか。

これが駅…? 誕生の背景

 JR北海道は2021年3月のダイヤ改正で、利用者の僅少な駅を廃止すると発表しました。廃止の対象となるのは宗谷本線、石北本線を中心とする計18駅です。

 いずれも周囲に人家や商業施設はほとんどみられず、いわゆる「秘境駅」に挙げられることのある駅も。その中でも、北海道の駅の象徴ともいえるのが、ホームが列車1両分ほどの長さしかなく、最低限の乗降設備があるだけの、「まるで学校の朝礼台のような」駅です。

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宗谷本線の東六線駅。板張りの短いホームがポツンと佇む(乗りものニュース編集部撮影)。

 ホーム上に駅舎はおろか、待合室も屋根もベンチも無い非常に簡素な構造の駅で、今回廃止になるものでは宗谷本線の南比布、北比布、東六線、北剣淵、下士別、北星、南美深、石北本線の北日ノ出、将軍山、東雲、生野、釧網本線の南斜里駅が挙げられます。これらには共通点があり、北星駅、南斜里駅以外はすべて「仮乗降場」として開業しました。

 仮乗降場の多くは、当時沿線からの要望があったものの、コスト回収が見込めないなどの事情から、当時の国鉄本社における許認可を経ることなく、現場を管轄する鉄道管理局によって「仮に」設置されたものです。その経緯から、全国版の時刻表や路線図にも掲載されなかったものもあります。宗谷本線の一部駅などをのぞき、仮乗降場の扱いは昭和末期まで続きました。

 1987(昭和62)年の国鉄民営化後、残った仮乗降場は一斉に正式な駅へと昇格しました。しかし、駅設置の背景から、そもそも多くの乗降客が想定された立地の駅ではありませんでした。

 JR北海道発足後の約30年間に、仮乗降場を出自とした駅は次々と廃止されました。宗谷本線の琴平、下中川、上雄信内、南下沼、石北本線の旧白滝、伊奈牛、新栄野、函館本線の東山、姫川、桂川、鷲ノ巣、北豊津、室蘭本線の旭浜、根室本線の古瀬、稲士別、留萌本線の東幌糠、桜庭といったところです。旧仮乗降場の多かった留萌本線や札沼線の一部区間は近年、路線ごと廃止になっています。

【了】

【写真】ホームすらない駅も!? 日本と世界の「簡素すぎる駅」たち

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