「最初のUFO事件」は日本軍潜水艦がキッカケ? 全米が戦慄した「ロサンゼルスの戦い」

世に「UFO」という言葉を広めた「ロズウェル事件」からさかのぼること5年あまり、記録に残る最初のUFO事件といえる大騒ぎがLAで起きていました。引き金を引いたのは旧日本海軍の潜水艦 伊十七とか。その顛末を追います。

偶然? 大パニックを誘引したかもしれない伊十七の「米本土砲撃」

 伊十七は前々日の2月23日19時頃(現地時間)から、ロサンゼルスの北西約100kmにあるエルウッド製油所を砲撃、14センチ砲20発を撃ち込みます。しかし、油井設備にわずかな被害を与えた程度で、物理的な効果はほとんどありません。20時30分ごろに洋上の発砲閃光が住民に発見され、通報を受けたアメリカ軍は警報を発し、航空機と駆逐艦を出動させますが、伊十七の姿を捉えることはできませんでした。

 その緊張感冷めやらぬ翌々日未明にレーダーが未確認飛行物体を捉えたのですから、騒ぎになるのは無理もありません。実際に飛行物体が多くの軍民で目撃されており、後に公開された陸軍の報告書には「非常に遅い速度から時速200マイル(約322km/h)に至るさまざまな速度で、9000フィートから1万8000フィート(約2743mから約5486m)に及ぶ高度で飛行した」と具体的に記録されています。

 対空砲陣地からは1400発以上の高射砲弾が発射され、その破片で建物や自動車に被害も出ています。高射砲弾は空中で破裂してその破片で敵機に被害を与えようという弾ですので、砲弾の破片は当然、地面に降り注ぎます。空襲で防空壕に避難するのは敵機からの攻撃以外に、味方の高射砲弾の破片を避けるという意味もあります。混乱する市内では交通事故で3名、心臓発作で2名が亡くなっています。

 2月26日のロサンゼルス・タイム紙は「ロサンゼルス空襲!」の大見出しで報じたのを始め、高射砲弾の破片を撃墜した日本軍機の破片と勘違いしたり、ほかの新聞でも「日本軍機4機撃墜」と報じたり、警察まで「日本機は185号線とバーモントストリートの近くに墜落した」と発表する始末となりました。

【画像】大騒動! 「ロサンゼルスの戦い」を大きく報じる地元紙の紙面

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