日本版「クリスマス・ドロップ」 海自ヘリS-51が結んだ絆 「ヘリのおじさんありがとう」

毎年12月になると南太平洋の島々に対して援助物資の空中投下、いわゆる「クリスマス・ドロップ」が行われています。同じようなことを60年以上前、発足当初の海上自衛隊も日本国内で実施していました。いったいどんな“作戦”だったのでしょう。

始まりは「クリスマス・ドロップ」ならぬ「ニューイヤー・ドロップ」

 海上自衛隊大湊基地は陸奥湾に面した南側にあり、S-51ヘリコプターが津軽海峡の哨戒にあたるためには下北半島の内陸部上空を飛ぶ必要がありました。飛行を繰り返すなかで、しばらくすると大湊基地に何通もの手紙が届くようになります。差出人は飛行コースの真下にある野平の小中学生たちでした。

 野平は第2次世界大戦後に満洲やシベリアからの引揚者により開かれた集落でした。当時は自動車道も電気も電話もない、農作物の収穫も乏しい荒れた土地で、冬に唯一の交通機関である森林鉄道が止まると完全に閉ざされる、非常に厳しい環境の地でした。

 そのような過酷な暮らしのなか、毎日空を行くS-51ヘリコプターはすぐ子どもたちの人気者になります。授業中でもヘリコプターの音を聞くと、校庭に飛び出して手を振る子どもたちの姿に、隊員たちもなにか手を差し伸べたいと思いますが、航空法などの規則もあり実行できずにいました。

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青森県立三沢航空科学館に保管展示される東北電力のWS-51ヘリコプター。同社は1953年に送電線のパトロール用として導入した(2017年9月、リタイ屋の梅撮影)。

 しかし1957(昭和32)年の正月、定期飛行帰りのS-51から隊員が自費で買った絵本を投下します。これを皮切りに他の隊員も学用品や書籍、菓子などの「物料投下」を開始。雪解けとともに届いた数多くの手紙に、大湊航空隊の司令が「ある決断」をします。

 5月のある晴れた日、司令自ら操縦桿をにぎる定期飛行帰りのS-51が野平小中学校の校庭に着陸。どよめく子どもたちに慰問品を手渡ししたのです。この出来事は「ヘリコプターのおじさんありがとう」という見出しで全国紙の記事にもなりました。

 このあとも運動会でにぎわう校庭上空で“祝賀飛行”をしたり、クリスマスにはたくさんの羊羹をプレゼントしたりと、大湊航空隊と野平の人々の心温まる交流は続きます。

【写真】日の丸を付けた往時の海上自衛隊S-51ヘリコプター

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コメント

2件のコメント

  1. いつも楽しくニュースを見ています

    日本にも「クリスマスドロップ」が行われていたですね、

    クリスマスイヴのこの記事に心が温まりました

    ありがとうございました(^O^)/

  2. たしか、映画トコリの橋に空母から発着する同型ヘリが出てきますね。

    動力は星型エンジンを上向きに置いてたとは存じませんでした。

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