チャック・イェーガー「人類初音速突破」のカラクリ 実は音速超えはその前にもいた!?

97歳でその生涯を閉じたパイロットのチャック・イェーガー氏は、「世界で最初に音速を突破した人類」として知られています。しかし、彼が初というのは正しいと言えないところも。そのカラクリや来歴を見ていきます。

愛機に「グラマラス・グレニス」とつけるまでの来歴

 チャック・イェーガー氏は、第2次世界大戦がはじまると、アメリカ陸軍航空隊に整備士として入隊し、その後戦闘機パイロットとなり、ヨーロッパ戦線に派遣されます。搭乗したのは、第2次世界大戦で最も優秀な戦闘機として知られるP-51「マスタング」。ここでは、アメリカ陸軍航空隊で最初にわずか1日でエースパイロットになった、機銃を使わずに2機撃墜した、ジェット戦闘機を1機撃墜した……など、ある意味伝説のようなエピソードを多数残します。

Large 20210107 01
P-51「マスタング」戦闘機(画像:USAF)。

 このころから同氏は、機体の胴体に「グラマラス・グレン」と描いていたとされています。グレンというのは女性の名前で、当時の同氏の恋人でした。彼女は音速突破の頃には結婚して「グラマラス・グレニス」になっており、ゲン担ぎとしては素晴らしいお守りとなったことでしょう。

 イェーガー氏は、マッハの壁を越えた後もアメリカ空軍で勤務し続け、数々の機体の開発に関わり、将軍になっています。1997(平成9)年には、超音速突破50周年を記念し、同氏が好きな機体といわれるF-15Dで音速突破を再現しました。

 余談ですが、成田空港至近にある航空科学博物館には、航空100年を記念した企画展示で作成したXS-1のコクピットの模型が置いてあるのですが、私(種山雅夫、元航空科学博物館展示部長 学芸員)は、その狭さにびっくりした記憶があります(2021年1月現在は、密を避けるため搭乗できないようです)。

【カラー写真】ベルXS-1の操縦席に座るチャック・イェーガー氏

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 衝撃波はいつごろから知られていたのでしょうね

    • う、うーん。 大砲の弾が音速に達した頃からかな

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号