東京「本当の最南端バス停」で見た静かなる絶景 都心から1000km 小笠原村営バスの終点とは
何もないバス停から少し歩くと…
小港海岸停留所の周辺は何もありません。バスが通ってきた道はこのバス停で終わっており、ここからは海や山へ遊歩道が続いています。
森林生態系保護地域のため、遊歩道に入る際は、服や靴に付いた種子や泥を備え付けのブラシなどで落とし、さらにプラナリア対策のため、靴底には酢スプレーを吹きかけます。これで出発の準備は整いました。
バス停から20分ほど登山道を進むと視界が開けて中山峠に着きます。海風に当たりながら海岸や周囲の小島を見渡せる絶景スポットです。小笠原(ボニン)の海の色を表す「ボニンブルー」の海岸を眺めると、白砂が輝いており海水が透明なのが分かります。時間を合わせて向かうと、夕日に染まった大海原も一望できます。
登山道は中山峠からさらにブタ海岸や高山(標高228m)、ジョンビーチなどに続いていますが、いったんきびすを返し、今度はバス停から海へ向かいます。
バス停からタマナやハマギリの防風林を進むこと約3分、着いた小港海岸は遠浅な入り江になっており、白い砂浜が広がっています。海水浴や夕日・星空鑑賞におすすめのスポットといわれます。
東京都最南端のバス停は、海や山を楽しむ玄関口でした。大海原も、白砂が広がる海岸もまた東京の風景といえるでしょう。
ちなみに、父島からさらに南へ約50km下った先に母島がありますが、この島は路線バスなどの公共交通機関はありません。
【了】
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