山手線だけじゃない鉄道の「環状線」どこにある? 行先案内もさまざま 惜しい例も
路面電車や「惜しくも環状ではない」路線も
比較的小回りが利く路面電車が、環状運転を行っている例もあります。また、経路の一部がループではなく棒状のため、惜しくも環状線とは言えない路線もあります。
札幌市の路面電車
札幌市交通事業振興公社が運営する路面電車は、札幌市街地の南西部を1周60分弱で環状運転しています。ラッシュ時や早朝深夜以外は基本的にグルグル周り続け、すすきのをはじめ、夜景が有名な藻岩山の山麓や中央区役所など広くカバーしています。
かつて札幌市の四方へ路線網が張り巡らされていた札幌市電ですが、地下鉄の開業とともに、ほとんどが廃止。残ったすすきの~西4丁目間は「C」の字状で、折り返し運転が行われていました。2015(平成27)年にすすきの~狸小路~西4丁目間が開業し、ループ路線になるとともに環状運転が始まりました。
路面電車は、かつての大都市では当たり前に見られたもので、京都や大阪、名古屋、函館、仙台、横浜といった都市で市電の環状運転が行われていましたが、モータリゼーションの進展とともに廃止されていきました。
富山地鉄市内電車
富山地鉄の市内電車は、富山市街地から富山大学前・南富山駅前・岩瀬浜へ向かう路線、そして市内をループ状に結ぶ路線があります。そのループ線を走る3系統の環状線は、富山駅を発着し、国際会議場や大手モールを経由して、再び富山駅に到着。日中は30分間隔で、基本的に周回を続けます。
環状運転ですが、経路は富山駅付近で数十mほど棒線となるので、厳密に言うと環状線ではなく、惜しくも「しゃもじ状」といえます。
このような「しゃもじ状」の路線は国内に多く、山万ユーカリが丘線や伊予鉄の市内電車、神戸のポートライナーの一部系統が挙げられます。
松山市の伊予鉄道松山市内線も環状運転してますよ。
環状運転に限らず引き上げ線ではなくプラットフォームで折り返す場合には車内の様子を完全に把握するのが難しい場合もあるのだろう。30年以上前になるが国鉄の京阪神間緩行電車の中で男性が亡くなっていた。検死したところによると死後2往復半ほど発見されなかった可能性があるとされた。