10年前のあの日 九州新幹線で難を逃れた空自「ブルーインパルス」
東日本大震災の発生から10年。そのタイミングは、九州新幹線の全線開通と重なりました。九州新幹線の祝賀イベントは中止になりましたが、それに関連し、空自の「ブルーインパルス」が津波の難を逃れています。
翌日が全線開通だった九州新幹線
JR九州が2021年3月14日(日)、九州新幹線の全線開業10周年を記念し、「流れ星新幹線」を運行します。特別なラッピングや演出を施し、全国から寄せられた願い事をのせた800系新幹線を夜に走らせ、そのビューイングイベントなどを行うものです。
九州新幹線(鹿児島ルート)は10年前の2011(平成23)年3月12日(土)に、博多~新八代間が開業。博多~鹿児島中央間の全線が開通しました。
その日は、東日本大震災発生の翌日。沿線では記念式典が開催される予定でしたが、すべて中止に。
九州新幹線の試運転列車を出迎えた人々を撮影し、制作されたCM「祝!九州」も放映中止になりましたが、ネット上で視聴できたその内容が被災者を勇気づけるとして、のちに全国的な話題にもなっています。
九州新幹線の全線開通では、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」も注目されました。
「ブルーインパルス」の拠点は、太平洋に近い宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地。東日本大震災では津波に襲われ、航空機28機が水没してしまいました。
しかし「ブルーインパルス」は震災発生時、翌日の九州新幹線全線開通で祝賀飛行を実施するため、福岡県の芦屋基地に“出張中”。被災を逃れています。
「ブルーインパルス」はその後、松島基地が使用不能になったため、芦屋基地を拠点に訓練を再開。「ブルーインパルス」が松島基地に戻ったのは、2年後の2013(平成25)年3月でした。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
CMは九州ローカルですか?
軍用も民間も空港は海辺から移転した方がよいのですかね?