笹塚駅の「塚」の字に「余計な点」があるワケ 鉄道会社で「こだわり」に差も?

兵庫県では逆のパターン

 一方で、鉄道会社が駅名に、「正式な漢字を用いない」例もあります。

 兵庫県宝塚市は1985(昭和60)年、同市の「塚」の字は「点ありの塚」を正式な文字と決定。これは常用漢字表制定で点なしが採用された4年後のことで、市のウェブサイトでも「点ありが正式」と明言するほどの「こだわり」ぶり。当然、国土地理院の地図や民間で発行される道路地図などでも、点ありの塚が使われています。

 しかし、市内にあるJRと阪急の宝塚駅の「塚」には、点がありません。これはなぜなのでしょうか。

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JRと阪急の宝塚駅の「塚」は、市名と違い点が無い(写真ACの画像を加工)。

 JR西日本に確認したところ、「常用漢字として一般的に用いられている表記を採用している」とのことでした。確かに、常用漢字が制定される1981年以前の写真を見ると、当時の国鉄の案内板や方向幕では、今とは逆に「点あり」が使われているのが確認できます。

 JR西日本は他にも「四条畷駅」(自治体名は四「條」畷市。ただし駅は大東市に所在)、「五条駅」(所在地は奈良県五「條」市)をはじめ、「三ノ宮駅」(付近地名や他の鉄道会社は「三宮」)など、正式な表記よりも「読みやすさ」を優先した駅名を採用したと思われる例が見られます。

 同じ「塚」の字でも、「あくまで正式表記を貫く」京王と、「市の意向よりもあくまで簡単な表記を貫く」JR西日本、漢字に対するスタンスの違いが垣間見える気がします。

【了】
※一部修正しました(3月15日13時10分)。

【写真】「笹塚」の点 京王関連以外にも

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コメント

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6件のコメント

  1. 阪急には聞かなかったの?

  2. 横浜市営地下鉄ブルーラインの戸塚駅も塚が使われていますね。

  3. 「四条畷駅」(所在地は大阪府大東市、旧・四「條」畷市)←四条畷市が大東市と合併して現在は大東市にあるのではなく,もともと大東市に立地しています。四条畷市も現存しています。

    • ご指摘ありがとうございます。記事を修正いたしました。

  4. 逗子の逗のしんにゅうの点が2つとか、むかし小田急の螢田は蛍田だったとか、塩釜駅が塩竈市にあるとか、余部が別にあるから餘部なのか、とか…

  5. 四條畷の場合、昔は役所や公立学校も「条」を使っていたが、表記統一の流れで「條」に変わっていった流れがありまして、その流れから一時期、JR四条畷駅も改称しょうという展開になったが、マルスや行先表示機の変更に費用がかかる事から沙汰止みに。元々は四條畷神社への参詣のために現在地に作られた経緯がある上に、地名としての四條畷は神社ができるまで存在しなかったとの事です。