令和の行商列車? 東武東上線の快速急行で野菜輸送→池袋駅で直売 背景に社会課題

東武東上線の旅客列車で野菜を輸送し、池袋駅で直売する日本初の取り組みが始まりました。並べられた野菜は、埼玉の直売所でその日に売れ残ったもの。背景には社会課題を解決したい思いがありました。

大命題は「フードロスの削減」

 コークッキングは、飲食店の売れ残り品と消費者をマッチングするアプリ「TABETE」を運営している会社です。JR東日本とも連携し、東京駅「グランスタ」のテナントで売れ残った飲食物をJR東日本の社員向けに販売する取り組みも行っていますが、今回のような野菜の売れ残り品の「行商」や、列車の利用は初めてだそう。

 取り組みの背景には、「フードロスの削減」という社会課題の解決があります。今回は、東松山市との縁をきっかけとして、フードロス削減と農家の収益性向上を目指した取り組みだといい、この理念に共鳴した東武鉄道が協力して実現しました。東武としては、新たな輸送サービスとして今回の事業性を検証し、沿線の魅力発信や誘客、利便性の向上につなげる構えです。

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池袋駅に到着した野菜(2021年3月18日、中島洋平撮影)。

 歴史的にも野菜などの行商は、鉄道が支えてきた経緯があります。昭和の時代は、農家の人がうず高く積んだ野菜を背負って列車に乗り、都心部へ売りに来る光景が見られ、京成電鉄では2013(平成25)年まで行商人専用車を仕立てていました。

 ただ東武の場合は現状、行商のような大きな荷物を想定した手荷物のルールはなく、列車に積み込めるのは本来、あくまで「手回り品」のみ。今回は実証実験という形ですが、事業化となれば、ルールの策定も検討するということです。ちなみに今回の取り組み、東武は野菜輸送の付き添いスタッフひとり分の運賃(森林公園~池袋間の往復)だけで受けているのとのこと。

 実証実験は3月31日まで原則として毎日実施されます(売れ残り野菜がない場合や輸送障害時などを除く)。単に売るだけでなく、社会課題の解決という使命を帯びた令和の行商スタイル、今後広がっていくかもしれません。

【了】

【写真】即完売! 池袋駅に登場した野菜直売ブース

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