何もないと言われ続けて…逆襲の「岐阜羽島駅」 密回避で注目される新幹線駅の地元

「移住相談に来る人のニーズが大きく変わった」

 こうした傾向は名古屋圏以外でも同様のようです。

 たとえば東北新幹線の小山駅がある栃木県小山市のシティプロモーション課は、移住相談に来る人のニーズが大きく変わったと話します。

「テレワークができるようになったことで移住を考えているという人が多いです。以前は、東京から離れた場所で子育てを考えている、あるいは、奥さんが小山市出身なので、という方が多かったのですが、いまは『テレワークできるんだけど、東京から離れすぎたくない』という人がほとんどです」

 小山市では以前から、移住者に対して新幹線通勤の補助制度を設けています。ただこれは定期券に対して助成するもので、2020年は出社が減り補助制度を利用する人も一時的に減少したものの、最終的には回復したほか、新たに移住相談に来る人は「助成を受けられればいいな」程度で考えているケースが多いといいます。

 当の鉄道会社もまた、需要が減退した新幹線の長距離利用に代わり、短い距離で新幹線を使ってもらう施策を打ち出しています。

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山陽新幹線のひかりレールスター(画像:photolibrary)。

 JR西日本が金曜と土休日に設定している「新幹線 近トク1・2・3」などはその代表例。山陽新幹線の3駅までの区間限定で自由席を割り引くもので、在来線を利用する人をターゲットにしています。JR西日本の担当者は「高速バスとも対抗できる価格です。スピーディーにさっと移動でき、分散乗車にもつながります」と話します。

 ちなみにこの「近トク」、月曜から木曜は設定されていないことからも、通勤利用は必ずしも想定していないといいます。JR神戸線の通勤特急「らくらくはりま」などと競合してしまうこともありますが、「平日の通勤には、すでに多くのお客様が乗っておられますので」とのこと。やはり、“たまの出社は新幹線で”と考える人が増えているのかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 名古屋圏には名鉄特急の特別車(今はネットでミューチケットレスで座席指定360円)がありますから、たまの通勤の着席のためにわざわざ岐阜羽島に移り住むというのはごくわずかだと思いますが…